第8章 パターン操作とライブ演奏
T-8は、パターンを作って保存するだけでなく、再生中に切り替えたり、ミュートしたり、フィルやステップ・ループで展開を作ったりできます。この章では、ライブや即興に使いやすい操作をまとめます。
パターンを切り替える
PATTERNを押すと、パターン選択モードになります。この状態では、ステップ・ボタンが1〜16のパターン番号になります。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 点灯 | 再生中のパターン |
| 点滅 | 次に再生される予約中のパターン |
| 弱く点灯 | データがあるパターン |
| 消灯 | データがないパターン |
ステップ・ボタンを押すと、選んだパターンが次に再生されるパターンとして予約されます。リズムとベースのパターン番号はセットで呼び出されます。
バンクを切り替える
T-8には4バンク×16個、合計64個のユーザー・パターンがあります。
バンクを切り替えるには、PATTERNを押しながら左端のステップ1〜4を押します。ステップ1がバンク1、ステップ2がバンク2、ステップ3がバンク3、ステップ4がバンク4です。
ライブ用に考えるなら、1バンクを1曲、または1セットの素材として使うと管理しやすくなります。たとえば、バンク1にイントロ、メイン、ブレイク、フィル用パターンをまとめる形です。
フィルインを入れる
SHIFT + F#(FILL TRG)を押すと、パターンの終わりでフィルインを挿入します。フィルインで使うパターンは、SHIFT + G(FILL PTN)で設定します。FILL PTNでは、ステップ・ボタンで1〜16のパターン番号を選びます。
フィルイン用パターンは、通常パターンと同じバンク内で考えると扱いやすいです。たとえば、パターン1をメイン、パターン16をフィルにしておくと、どの展開からでも同じフィルへ入りやすくなります。
シャッフルで跳ね方を変える
SHIFT + D(SHUFFLE)で、パターンのシャッフル設定を行います。シャッフルは、ステップの均等な刻みに揺れを付ける設定です。
ハイハットやベースが硬く聞こえるときは、シャッフルを少し加えると動きが出ます。逆に、他の機材やDAWと正確に合わせたいときは、まずシャッフルを控えめにして、同期の安定感を確認します。
ラスト・ステップで展開を作る
SHIFT + D#(LAST)で、選択中パターンの長さを設定できます。リズムとベースはそれぞれラスト・ステップを設定できます。
短いループを作るなら8ステップ、標準的なループなら16ステップ、変化を出したいなら32ステップが使いやすいです。リズムとベースの長さをあえてずらすと、同じパターンでも周期が変化します。
ランダム生成を使う
T-8には、リズムとベースのランダム生成があります。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
SHIFT + G#(RANDOM RHYTHM) | リズムのパターンをランダム生成 |
SHIFT + A(RANDOM BASS) | ベースのパターンをランダム生成 |
ランダム生成は、完成品を一発で作るというより、思いつかない素材を出すための機能として使うと便利です。よい部分だけ残し、不要なステップを消し、プロバビリティーやベロシティーで整えると、偶然と意図の両方を活かせます。
パターンをクリアする
パターンを消す操作は2種類あります。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
SHIFT + A#(PTN CLEAR ALL) | 選択中パターンを削除 |
SHIFT + B(PTN CLEAR INST) | 選択中インストのパターンを削除 |
全部作り直したいときはPTN CLEAR ALL、キックだけ、ベースだけ、ハイハットだけを消したいときはPTN CLEAR INSTが向いています。
ミュートで曲の展開を作る
通常画面でも、SHIFTを押しながらインスト・ボタンを押すことで、ミュートのオン/オフを切り替えられます。
ミュートは保存される構造というより、演奏中の一時的な操作として考えると使いやすいです。電源を切るとミュート設定はオフに戻ります。
| 展開 | 操作例 |
|---|---|
| イントロ | キックとベースだけ残す |
| メイン | スネア、ハイハット、クラップを戻す |
| ブレイク | キックを抜いて、リバーブだけ残す |
| ドロップ | 全パートを戻し、フィルを入れる |
ステップ・ループで引っかける
ステップ・ループは、選んだステップをループ再生する機能です。SHIFT + PATTERNでステップ・ループ・モードに入り、ステップ・ボタンを押して使います。終了はPATTERNです。
ループするのはリズムのみです。ベースは通常再生のまま進みます。だからこそ、リズムだけが一瞬止まったり、細かく連打されたりするような効果が出ます。
パターンをリロードする
メニューには、現在のパターンを最後に保存した状態へ戻す項目があります。
| メニュー | 内容 |
|---|---|
Reload | 選択中パターン全体を最後に保存した状態へ戻す |
Reload Rhythm | リズムだけを戻す |
Reload Bass | ベースだけを戻す |
ショートカットでは、PATTERN + ステップ14でリズムのリロード、PATTERN + ステップ15でベースのリロード、PATTERN + ステップ16でパターン全体のリロードができます。
ライブ中に大きく崩してから元に戻す使い方に向いています。保存した状態を「帰る場所」にしておくと、安心して編集できます。
パターンをコピーする
メニューから、現在のパターンを別のパターンへコピーできます。リズムだけ、ベースだけのコピーも可能です。
| メニュー | 内容 |
|---|---|
Copy | 現在のパターン全体を指定先へコピー |
Copy Rhythm | リズムだけをコピー |
Copy Bass | ベースだけをコピー |
コピー先はTEMPO/VALUEで選び、C#(ENTER)で実行します。C(EXIT)でキャンセルできます。
展開違いのパターンを作るときは、まずコピーしてから、ハイハットやベースだけを変えると早いです。
ライブ用セットの作り方
以下は本サイトの提案です。
| パターン | 用途 |
|---|---|
| 1 | イントロ。音数少なめ |
| 2 | メイン。基本の完成形 |
| 3 | メイン変化。ハイハットやベースを変更 |
| 4 | ブレイク。キックを少なくする |
| 15 | ランダムや即興用の試験枠 |
| 16 | フィルイン用 |
このように役割を決めておくと、演奏中に迷いにくくなります。T-8は小さいぶん、ボタン配置を体で覚えると強い機材です。