第5章 ベース・シーケンサー活用
T-8のベース・シーケンサーは、リズムと同じステップ・ボタンを使いながら、ノート、タイ、アクセント、スライドを扱います。リズムが「どのタイミングで鳴らすか」を中心に作るのに対して、ベースでは「どの音程で、どれくらいつなぐか」が重要になります。
この章では、ベース・パートの入力と編集を順番に整理します。
基本のステップ入力
ベースを打ち込むときは、まずBASSを押してベース・パートを選びます。ノートが入っているステップは点灯し、タイが入っているステップは弱く点灯します。
BASSを押します。- ステップ・ボタンを押します。
- 空のステップにはノートが入り、ノートがあるステップでは削除されます。
空のステップに入るノートは、初期状態ではC2です。以前そのステップに別のノートが入っていた場合は、削除前のノートが再び入力されることがあります。
ステップ・モードでノートを編集する
ステップ・モードでは、ステップごとにノート、アクセント、スライドを確認して編集できます。
- 編集したいステップ・ボタンを押し続けます。
- ノート情報が表示されます。
- ステップを押したまま
TEMPO/VALUEを回して、ノートを変更します。
表示は、n.oFF、n.C0〜n.C7、n.tieのように変わります。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
n.oFF | ノートなし |
n.C0〜n.C7 | C0〜C7の範囲のノート |
n.tie | 前の音を引き継ぐタイ |
同じステップを押し続けたままACCENTを押すと、表示対象がノート、アクセント、スライドの順に切り替わります。アクセントはA.OFFまたはA.On、スライドはS.OFFまたはS.Onです。値はTEMPO/VALUEで変更します。
鍵盤モードで音程を入れる
KYBDを押すと、ステップ・ボタンが鍵盤として働きます。リズム・インストを選んでいる状態でKYBDを押した場合も、ベースに切り替わります。
鍵盤モードは、ベースラインを耳で探しながら作るときに便利です。ステップ・モードでタイミングを作り、鍵盤モードで音程を調整する、という順番も使いやすいです。
停止中にKYBDを押し、録音ボタンを押すと、鍵盤モードでステップ編集できる状態になります。ディスプレイにはSt. 1のようにステップ番号が表示され、TEMPO/VALUEで編集するステップを移動できます。
鍵盤モードで編集できること
鍵盤モードでは、ステップ・ボタンがノート入力に変わります。あわせて、オクターブ、スライド、アクセントも編集できます。
| 操作 | 役割 |
|---|---|
| 鍵盤ボタン | 編集中ステップにノートを入力 |
OCT- / OCT+ | 編集中ステップのノートをオクターブ移動 |
SLIDE | スライドをオン/オフ |
ACCENT | アクセントをオン/オフ |
TEMPO/VALUE | 編集するステップを移動 |
SLIDEをオンにすると、次のステップのノートへ滑らかにつながります。ベースラインに酸味や粘りを出したいときは、短いフレーズの要所に入れると効果的です。
タイで音を伸ばす
タイは、前のステップのノートを引き継いで伸ばす設定です。鍵盤モードでは、KYBDを押しながらSLIDEを押すことでタイを入力できます。
タイが入るとSLIDEが弱く点灯し、前のステップで設定されているノートの鍵盤ボタンも弱く点灯します。短いベースを跳ねさせるだけでなく、1音を長く伸ばして曲の重心を作るときにも使えます。
| 効果 | 使う設定 |
|---|---|
| 次の音へ滑らかにつなぐ | スライド |
| 前の音を伸ばす | タイ |
| 音を強くする | アクセント |
| 音域を変える | オクターブ |
リアルタイムに入力する
ベースのリアルタイム入力には、2つの方法があります。
1つ目は、ノートの発音タイミングだけを入力する方法です。録音ボタンが点灯し、KYBDが消灯している状態で再生を始めると、BASSボタンでノートをリアルタイム入力できます。このとき入力されるノートはC2固定です。
2つ目は、鍵盤モードで演奏をリアルタイム入力する方法です。録音ボタンが点灯し、KYBDが点滅している状態で再生すると、編集対象のステップが順に切り替わります。鍵盤ボタンを押すことで、ノート、タイ、スライドをリアルタイムに入力できます。OCT-またはOCT+で鍵盤ボタンのオクターブも変えられます。
アクセントの強さを決める
ベースのアクセントは、BASSを選んだ状態でACCENTを押しながらTEMPO/VALUEを回して強さを設定します。
ステップごとのアクセント入力は、ステップ・モードや鍵盤モードのほか、まとめて入力する方法もあります。
BASSを押します。ACCENTを押します。b.ACCが表示され、ステップ・ボタンでベースのアクセントを入力できます。- もう一度
ACCENTを押します。 b.SLdが表示され、ステップ・ボタンでベースのスライドを入力できます。
アクセントとスライドは、ベースのグルーヴを作る中心です。すべてのノートを強くしたり、すべて滑らせたりするより、拍頭やフレーズ終わりなど、意味のある場所に絞ると効果が見えやすくなります。
ベースを移調する
ショートカットとして、BASS + KYBD + TEMPO/VALUEでベースをトランスポーズできます。曲中でベースラインの音程だけをまとめて動かしたいときに使えます。
ライブ中に使う場合は、変化が大きく出ます。別パターンへコピーしてから試すと、元のフレーズを失わずに展開を作れます。
ベース入力の考え方
最初は、複雑なメロディよりも、キックと噛み合う短いフレーズを作るのが近道です。これは本サイトの提案です。
- キックが鳴るステップにベースを重ねる
- ループ終わりだけ別の音にする
- 伸ばしたい場所にタイを入れる
- つなげたい場所だけスライドを入れる
- 拍頭やフレーズの芯にアクセントを置く
リズムを先に作り、ベースはその隙間を埋めるように入れると、T-8単体でもまとまりやすくなります。