第4章 リズム・シーケンサー活用
T-8のリズム・シーケンサーは、6つのリズム・インストをステップ単位で打ち込む場所です。まずは「どのインストを」「どのステップで鳴らすか」を決め、慣れてきたらアクセント、ベロシティー、プロバビリティー、サブ・ステップで動きを作ります。
この章では、リズム・パートだけを扱います。ベース・パートは次の章で別に整理します。
基本のステップ入力
リズムの入力は、インストを選んでからステップを押すだけです。
- 入力したいインスト・ボタンを押します。
- 鳴らしたい位置のステップ・ボタンを押します。
- 点灯しているステップをもう一度押すと、そのノートが削除されます。
BASS DRUMを押してからステップ1を押すと、ステップ1にバス・ドラムが入ります。SNARE DRUMを押してからステップ5を押すと、ステップ5にスネアが入ります。この「インストを選ぶ、ステップを選ぶ」の繰り返しが基本です。
| やりたいこと | 操作 |
|---|---|
| インストを選ぶ | インスト・ボタンを押す |
| ノートを入れる | ステップ・ボタンを押す |
| ノートを消す | 点灯しているステップ・ボタンをもう一度押す |
| 再生しながら確認する | 再生ボタンを押す |
1〜16と17〜32を切り替える
T-8は1パターンで最大32ステップを扱えます。本体のステップ・ボタンは16個なので、表示は1〜16と17〜32の2ページに分かれます。
ページを切り替えるには、SHIFTを押しながらSTEP 1-16またはSTEP 17-32を押します。SHIFTを押している間、現在表示しているページが点灯し、もう一方のページが点滅します。
STEP 17-32を押すと、ラスト・ステップが自動的に32になり、1〜16の内容が17〜32へコピーされます。16ステップのループを倍の長さに広げるときに便利です。ラスト・ステップで長さを変える
パターンの長さは、SHIFT + D#(LAST)で設定します。リズムとベースはそれぞれラスト・ステップを持てます。
たとえば、リズムを16ステップ、ベースを15ステップにすると、少しずつ頭がずれていくポリリズム的な動きになります。逆に、毎回きちんと頭を合わせたい場合は、リズムとベースの長さをそろえるか、Pattern Syncの設定を確認します。
このずれを使うかどうかは音楽的な判断です。安定したダンス・ループを作るなら同じ長さ、変化し続けるループにしたいなら違う長さを試す、という考え方が使いやすいです。
アクセントを入れる
アクセントは、指定したステップを強く鳴らす機能です。リズム側のアクセントは、特定のインストだけではなく、リズム・インスト全体にかかります。
- リズム・インストを選んだ状態にします。
ACCENTを押します。- アクセントを入れたいステップを押します。
アクセントの強さは、リズム・インストを選んだ状態でACCENTを押しながらTEMPO/VALUEを回して調整します。
アクセントは、キックとスネアの芯を作るためだけでなく、ハイハットの刻みに周期を作るときにも使えます。たとえば、ハイハットを8分で入れて、ステップ1と9にアクセントを置くと、ループの頭が聞こえやすくなります。
ベロシティーを設定する
ベロシティーは、インストごとのステップに強弱を付ける設定です。アクセントがリズム全体に効くのに対して、ベロシティーは選んだノート単位で扱えます。
- 編集したいステップ・ボタンを押し続けます。
- プロバビリティー値が表示されます。
- そのまま
ACCENTを押します。 v.0〜v.10の値をTEMPO/VALUEで設定します。
ハイハットやタムでは、すべて同じ強さで鳴ると機械的に聞こえます。少し弱いステップを混ぜると、打ち込みのままでも呼吸が出ます。
プロバビリティーを設定する
プロバビリティーは、ノートを再生する確率です。値はP.0〜P.100で、100に近いほど毎回鳴りやすくなります。
- 編集したいステップ・ボタンを押し続けます。
TEMPO/VALUEでP.0〜P.100を設定します。
プロバビリティーは、キックのような土台よりも、ハイハット、クラップ、タム、フィル的なノートに向いています。毎回鳴らなくても曲の土台が崩れない音に使うと、ループに自然な揺らぎを足せます。
| 使いどころ | 例 |
|---|---|
| ハイハットの抜き差し | 16分の一部をP.70前後にする |
| クラップの装飾 | スネアと重なるクラップを低めの確率にする |
| タムのフィル | ループ終わりのタムだけ確率を下げる |
| ランダム感の調整 | マスター・プロバビリティーで全体を上下する |
マスター・プロバビリティー
マスター・プロバビリティーは、シーケンス全体のプロバビリティーに値を加算する操作です。PATTERNを押しながらTEMPO/VALUEを回して設定します。
ただし、個別ステップにプロバビリティーを設定していない場合は効果がありません。先に各ステップで確率を作り、そのうえでライブ中に全体の出方を動かす、という使い方が向いています。
サブ・ステップで連打やフラムを作る
サブ・ステップは、1ステップの中に連打を入れる機能です。設定はOFF、1_2、1_3、1_4、FLANのように切り替わります。
- インスト・ボタンを押しながらステップ・ボタンを押します。
- 現在のサブ・ステップ状態が表示されます。
- もう一度同じステップを押すたびに設定が切り替わります。
1_2、1_3、1_4は細かい連打、FLANはフラム的なずれに使えます。スネア、ハイハット、タムに使うと変化が出やすいです。キックに使う場合は、低音が混みやすいので控えめにすると扱いやすくなります。
サブ・ステップにも確率を付ける
サブ・ステップ自体にもプロバビリティーを設定できます。
- インスト・ボタンを押しながらステップ・ボタンを押し続けます。
ACCENTを押します。TEMPO/VALUEでP.0〜P.100を設定します。
これは、毎回は出てほしくない細かい連打に向いています。たとえば、ループ終わりのスネア連打を半分くらいの確率にすると、同じパターンでも演奏しているような変化が出ます。
ステップ・ループで一瞬だけ引っかける
ステップ・ループは、再生中に選んだステップだけを繰り返す機能です。リズムのみが対象で、ベースはループしません。
- 再生中に
SHIFTを押しながらPATTERNを押します。 PATTERNが点滅し、ステップ・ループ・モードになります。- 繰り返したいステップ・ボタンを押します。
- 終了するときは
PATTERNを押します。
複数のステップを同時に選ぶこともできます。長く使うより、フィルやブレイクの直前に短く使うと効果的です。
リアルタイム入力
ステップを止めて入力するだけでなく、再生しながらインスト・ボタンを叩いて録音できます。
- 録音ボタンを押します。
- 再生ボタンを押します。
- 鳴らしたいタイミングでインスト・ボタンを押します。
リアルタイム入力は、ハイハットの細かいニュアンスや、タムのフィルを感覚で入れるときに便利です。入力後にステップ編集で不要なノートを消したり、プロバビリティーやベロシティーを整えたりすると、勢いと整いの両方を残せます。