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第3章 パネルと基本操作

T-8は小さな本体に多くの機能が詰まっています。慣れるまでは「同じボタンなのに、場面によって働きが変わる」ことが難しく感じられるかもしれません。

まずは、パネルをいくつかの領域に分けて見ます。操作を覚えるときは、ボタン名を丸暗記するよりも、「今はパターンを選んでいるのか」「インストを選んでいるのか」「ステップを編集しているのか」を意識すると理解しやすくなります。

トップ・パネル全体

Roland T-8 トップ・パネル

画像出典: Roland T-8 取扱説明書 Version 1.02 / トップ・パネル

トップ・パネルは、大きく分けると次の領域で構成されています。

領域主な役割
端子とVOLUMESYNC、MIX IN/OUT、音量、充電状態
共通操作ディスプレイ、TEMPO/VALUESHIFTPATTERN、再生、録音
リズム・インストバス・ドラム、スネア、クラップ、タム、ハイハット
ベースベース音源、フィルター、鍵盤モード
エフェクト/アクセントディレイ、リバーブ、アクセント
ステップ・ボタンパターン選択、ステップ入力、鍵盤、メニュー機能

端子と音量

トップ側には、SYNC IN、SYNC OUT、MIX IN、MIX OUTがあります。SYNC INは外部機器から同期信号を受ける端子で、SYNC OUTは外部機器へ同期信号を送る端子です。MIX INは外部音声をT-8に入れる端子で、MIX OUTはT-8の音を出す端子です。ヘッドホンもMIX OUTに接続できます。

注意点として、SYNC IN/OUTにはモノラル・ミニ・プラグのケーブルを使います。MIX IN/OUTにはステレオ・ミニ・プラグのケーブルを使います。また、SYNC OUTにオーディオ機器を接続してはいけません。

VOLUMEつまみはMIX OUTの音量を調整します。USB出力の音量については、メニュー内のUSB Direct Out設定でVOLUMEつまみを反映させるかどうかを変えられます。

共通操作エリア

中央付近には、全体操作に関わるものが集まっています。

操作子役割
ディスプレイ4桁の7セグメント表示。テンポ、値、メニュー項目などを表示
TEMPO/VALUEテンポや現在表示中の値を変更
SHIFT他の操作子と組み合わせて追加機能を呼び出す
PATTERNパターン選択モードに入る
再生ボタンパターンの再生/停止
録音ボタン録音待機。再生中の入力やベース編集に使う

T-8の操作は、単独で押す、押しながら回す、SHIFTと組み合わせる、という3種類がよく出てきます。たとえば、TEMPO/VALUEだけを回すとテンポ変更、SHIFTを押しながら回すとテンポの小数点以下の調整です。

リズム・インストの操作

リズム・インストは、インスト・ボタンを押してからステップを入れる、という流れで使います。たとえば、BASS DRUMを押してステップ1を押すと、バス・ドラムのノートがステップ1に入ります。

バス・ドラムとスネア・ドラムには、それぞれLEVELTUNEDECAYボタンがあります。TUNEつまみは基本的にはピッチを調整しますが、DECAYボタンを押すと余韻の長さを調整する操作に切り替わります。

タムとハンド・クラップは、同じLEVELTUNEを共有します。選んでいるインストに対して、チューン操作が効きます。ハイハットは、オープンとクローズの両方の音量をLEVELで扱い、余韻はDECAYで調整します。

ベースの操作

ベースは、リズムとは別のパートです。BASSボタンを押すとベースを選べます。ベースには、リズム・インストより多くの音作りつまみがあります。

操作子役割
LEVELベースの音量
PITCHピッチ
DECAY余韻の長さ
CUTOFFフィルターの明るさ
RESOカットオフ周辺の強調
ENV MODフィルター変化のかかり具合
KYBDステップ・ボタンを鍵盤として使う

KYBDをオンにすると、ステップ・ボタンが鍵盤として働きます。ベースラインを音程で考えるときは鍵盤モード、発音タイミングだけを先に作りたいときは通常のステップ入力、という使い分けができます。

エフェクトとアクセント

DELAYつまみはディレイの量、REVERBつまみはリバーブの量を調整します。SHIFTを押しながら各つまみを回すと、ディレイ・タイムやリバーブ・タイムを調整できます。

ACCENTボタンは、選んでいるパートによって役割が変わります。リズム・インストを選んでいるときはリズム側のアクセント、ベースを選んでいるときはベース側のアクセントを扱います。

アクセントの強さは、ACCENTを押しながらTEMPO/VALUEを回して設定します。リズムのアクセントとベースのアクセントは別物なので、どちらを選んでいるかを見てから操作します。

ステップ・ボタンは場面で役割が変わる

T-8で一番重要なのは、16個のステップ・ボタンです。これらは常に同じ役割ではなく、モードによって意味が変わります。

状態ステップ・ボタンの役割
通常のリズム入力選んだインストのノートを入れる/消す
BASS選択中ベースのノートを入れる/消す
PATTERN選択中パターン番号を選ぶ
PATTERNを押しながらバンクやショートカットを選ぶ
KYBDオンベースの鍵盤として使う
SHIFTを押しながらパネル下に書かれたファンクションを呼び出す

押したボタンが「音を入れている」のか「パターンを選んでいる」のか「メニュー機能を呼んでいる」のかは、現在点灯しているボタンで判断します。迷ったら、C(EXIT)で抜ける、またはPATTERNKYBDの点灯状態を見ると戻りやすいです。

SHIFTで呼び出すファンクション

ステップ・ボタンの下には、C(EXIT)C#(ENTER)D(SHUFFLE)D#(LAST)のように、別の機能名が書かれています。これらはSHIFTを押しながら対応するステップ・ボタンを押すことで使います。

よく使うものだけ先に覚えるなら、次の5つです。

操作役割
SHIFT + C(EXIT)メニューや編集から抜ける
SHIFT + C#(ENTER)決定する
SHIFT + D(SHUFFLE)シャッフル設定
SHIFT + D#(LAST)パターンの長さを設定
SHIFT + SLIDE(WRITE)パターン保存

SHIFT + OCT+(MENU)ではメニューを開けます。メニューでは、ミュート、ゲイン、チューン、パン、ベース波形、パターン同期、ステップ・スケール、オーバードライブ、サイドチェイン、MIDI、USB関連などを設定できます。

リア・パネル

Roland T-8 リア・パネル

画像出典: Roland T-8 取扱説明書 Version 1.02 / リア・パネル

リア・パネルには、電源、USB、MIDI IN/OUTがあります。

端子・スイッチ役割
POWER電源オン/オフ
USB Type-CUSBオーディオ、USB MIDI、給電
MIDI IN/OUT外部MIDI機器との接続、同期

USB接続では、パソコンやiOS機器とオーディオ・データやMIDIデータをやり取りできます。公式マニュアルでは、USBハブなどを経由すると正常に通信できない場合があるとされています。接続が不安定なときは、まずT-8と機器を直接つなぎます。

MIDI IN/OUT端子には、TRS/TRSコネクティング・ケーブル、またはTRS/MIDIコネクティング・ケーブルを使います。ここにもオーディオ機器を接続してはいけません。

操作を読むための表記

このサイトでは、操作を次のように表記します。

表記意味
BASS DRUMボタンやつまみの名前
SHIFT + SLIDE(WRITE)左のボタンを押しながら右のボタンを押す
ACCENT + TEMPO/VALUEボタンを押しながらつまみを回す
ステップ1〜16本体下段の16個のステップ・ボタン
1〜16 / 17〜3232ステップを2ページに分けた表示

「押しながら」と書いてある操作は、設定が終わるまでボタンを離さないのが基本です。たとえば、ステップごとのプロバビリティーやベースのノート編集では、対象のステップを押し続けながらTEMPO/VALUEを回します。

まず覚えるパネル感覚

T-8の基本操作は、次の感覚でかなり読めるようになります。

  1. 何を編集するかを選ぶ: インスト・ボタン、BASSPATTERN
  2. どこを編集するかを選ぶ: ステップ・ボタン
  3. 値を変える: TEMPO/VALUEまたは専用つまみ
  4. 深い機能を呼ぶ: SHIFTと下段の機能名
  5. 決定/終了する: C#(ENTER)C(EXIT)

第4章以降では、この基本操作を前提に、リズム・シーケンサー、ベース・シーケンサー、エフェクト、ライブ操作を詳しく扱います。

参考