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第2章 最初の1パターンを作る

この章では、T-8で最初の1パターンを作ります。狙いは、完璧なビートを作ることではありません。パターン選択、テンポ設定、リズム入力、ベース入力、保存という基本の流れを、手で覚えることです。

ここでは16ステップのシンプルなパターンを作ります。32ステップやプロバビリティーは後から足せるので、まずは「音が出る、ループする、保存できる」状態まで進みます。

準備する

最初に、音量を絞った状態でヘッドホンまたはスピーカーをMIX OUTに接続します。電源を入れたら、VOLUMEを少しずつ上げます。USBで給電している場合は、CHARGEインジケーターの状態も確認しておくと安心です。

外部スピーカーに出す場合も、最初はT-8側とスピーカー側の音量を控えめにします。小型機材ですが、キックやベースは思ったより大きく出ることがあります。

空きパターンを選ぶ

PATTERNボタンを押すと、パターン選択モードになります。この状態では、ステップ・ボタンが1〜16のパターン番号として働きます。

ステップ・ボタンの光り方は、パターンの状態を示します。再生中のパターンは点灯、次に再生される予約中のパターンは点滅、データがあるパターンは弱く点灯、空のパターンは消灯です。

空のパターンを使うなら、消灯しているステップ・ボタンを押します。選んだパターンは次に再生されるパターンとして予約されます。すぐに切り替わらなくても、これは演奏中に自然につなぐための動きです。

バンクを変えるときは、PATTERNを押しながら左端のステップ1〜4を押します。T-8は4バンク×16パターンで、合計64パターンを扱えます。

テンポを決める

ディスプレイには通常、テンポが表示されています。TEMPO/VALUEつまみを回すとテンポが変わります。小数点以下を調整したい場合は、SHIFTを押しながらTEMPO/VALUEを回します。

最初は120前後にしておくと、16ステップの動きがわかりやすくなります。速すぎると入力の結果を聞き取りにくく、遅すぎるとループ感をつかみにくいからです。

バス・ドラムを入れる

まず、拍の中心になるバス・ドラムを入れます。

  1. BASS DRUMボタンを押します。
  2. ステップ1、5、9、13を押して点灯させます。
  3. 再生ボタンを押して確認します。

これで4つ打ちのキックになります。点灯しているステップをもう一度押すと、そのノートは削除されます。入れ間違えてもすぐ戻せるので、ためらわず押して大丈夫です。

スネアとハイハットを入れる

次に、スネアを2拍目と4拍目に入れます。

  1. SNARE DRUMボタンを押します。
  2. ステップ5、13を押して点灯させます。

続いて、クローズド・ハイハットで細かい刻みを作ります。

  1. CLOSED HIHATボタンを押します。
  2. ステップ1、3、5、7、9、11、13、15を押します。

これで、キック、スネア、ハイハットの基本形ができます。少し開放感を出したい場合は、OPEN HIHATを選び、ステップ15だけ点灯させます。

インスト入れるステップ役割
BASS DRUM1, 5, 9, 13拍の土台
SNARE DRUM5, 132拍目と4拍目
CLOSED HIHAT1, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 158分の刻み
OPEN HIHAT15ループ終わりの抜け

音量と余韻を整える

音が出たら、各インストのLEVELでバランスを取ります。最初はキックを少し大きめ、スネアをその次、ハイハットは控えめにするとまとまりやすいです。

バス・ドラムとスネアはTUNEでピッチを変えられます。DECAYボタンを押すと、同じつまみで余韻の長さを調整できます。ハイハットは専用のDECAYつまみで余韻を調整します。

この段階では、細かい音作りよりも「キックが聞こえる」「スネアが埋もれない」「ハイハットがうるさすぎない」ことを優先します。

ベースを入れる

次にベースを入れます。まずは簡単に、ステップ入力で音の発音タイミングを作ります。

  1. BASSボタンを押します。
  2. ステップ1、7、9、15を押して点灯させます。
  3. 再生して、リズムとベースが一緒に鳴ることを確認します。

ベースのステップは、初期状態ではC2または以前そのステップに入っていたノートで入力されます。ノートを変えるには、編集したいステップを押し続けながらTEMPO/VALUEつまみを回します。表示はn.C0n.C7のような形になります。n.oFFはノートなし、n.tieはタイです。

もう少し演奏感を出したい場合は、KYBDボタンで鍵盤モードに入ります。鍵盤モードではステップ・ボタンが音程ボタンとして働くので、ベースラインを音で探しながら作れます。

ベースの音色を整える

ベースは、リズムよりも音色変化が大きく出ます。まずは次のつまみを触ると、変化がわかりやすいです。

操作子変わること
LEVELベースの音量
PITCH全体のピッチ感
DECAY音の長さ
CUTOFF明るさ、こもり具合
RESOカットオフ付近のクセ
ENV MODフィルターが動く量

最初はCUTOFFを少し閉じ、ENV MODを上げて、短く跳ねるようにするとリズムと馴染みやすくなります。これは音作り上の提案であり、公式マニュアルの指定値ではありません。

ディレイとリバーブを少し足す

全体が乾いて聞こえる場合は、DELAYまたはREVERBを少しだけ上げます。最初はかけすぎないほうが、リズムの芯が残ります。

ディレイ・タイムは、SHIFTを押しながらDELAYつまみを回すと設定できます。ディレイ同期がオンの場合は、16分、8分、付点8分、4分など、テンポに合った単位で表示されます。

インストごとのディレイ/リバーブ量を変えたい場合は、センド量を設定します。ただし、最初の1パターンでは全体つまみだけで十分です。細かいセンド設定は、音作りの章で扱います。

パターンを保存する

作ったパターンは、保存しないまま電源を切ると最後に保存した状態へ戻ります。気に入ったらすぐ保存します。

  1. SHIFTを押しながらSLIDE(WRITE)を押します。
  2. TEMPO/VALUEPtnを選びます。
  3. C#(ENTER)を押します。

Ptnは現在選んでいるパターンを保存します。ALLを選ぶと、すべてのパターンを保存します。作業中に1つのパターンだけ保存したい場合は、まずPtnを使えば十分です。

T-8は、保存していない編集内容を電源オフ後に保持しません。よいループができたら、次の操作に進む前に保存する習慣を付けておくと安心です。

ここまでの完成形

この章で作ったパターンは、とても単純です。しかし、T-8の基本操作はほぼ通っています。

できるようになったこと使った操作
パターンを選ぶPATTERN、ステップ・ボタン
テンポを変えるTEMPO/VALUE
リズムを打ち込むインスト・ボタン、ステップ・ボタン
ベースを入れるBASS、ステップ・ボタン、TEMPO/VALUE
音色を整えるLEVELTUNEDECAYCUTOFFなど
空間を足すDELAYREVERB
保存するSHIFT + SLIDE(WRITE)C#(ENTER)

次の章では、どのボタンがどの役割を持っているのかをパネル全体で整理します。

参考