第4章 サンプリングとリサンプリング
SP-404MKIIの制作では、外部音を録るサンプリングと、本体で鳴らした音をもう一度録るリサンプリングが中心になります。よい瞬間をあとから保存するSKIP BACK SAMPLINGも、SPらしい使い方のひとつです。
この章では、録音レベル、ROUTING、INPUT FX、通常サンプリング、RESAMPLE、SKIP BACKを実際に操作します。
サンプリング前に決めること
| 項目 | 使う操作 | 最初の目安 |
|---|---|---|
| 録音先 | 赤点滅している空パッド | まずバンクAの空パッド |
| 長さ | CTRL 2 | 1〜4小節、または∞ |
| テンポ | CTRL 1 | 素材が曲に合うBPM |
| 録音レベル | CTRL 3 | 歪まない範囲で大きめ |
| 入力ソース | RECORD SETTING内のROUTING | 外部だけならExtIn、本体音込みならMix |
録音レベルが大きすぎると、あとで音量を下げても歪みは消えません。最初は少し余裕を持って録ります。
RECORD SETTINGを開く
サンプリングの長さや入力設定は、録音待機状態から確認します。
- サンプル・モードで
RECボタンを押します。 - 空パッドが赤点滅し、サンプリング待機状態になります。
CTRL 2つまみで録音する長さを設定します。範囲は1〜32小節、または∞です。- 拍子を変える場合は、
SHIFT+CTRL 2を回します。範囲は1/4〜7/4です。 RECORD SETTINGボタンを押します。- 入力設定画面が表示されます。

画像出典: SP-404MKII Reference Manual Version 5.50 / サンプリングの設定をする(RECORD SETTING)
入力設定画面では、次のパラメーターを操作します。
| 操作子 | パラメーター | 範囲 | 内容 |
|---|---|---|---|
CTRL 1 | REC BPM | 40.0〜200.0 | サンプリング時のテンポ |
SHIFT + CTRL 1 | REC BPM細調整 | 40.0〜200.0 | 小数を含む細かいテンポ |
CTRL 2 | ROUTING | Mix / ExtIn | 録る音源を選ぶ |
SHIFT + CTRL 3 | PAN | L:50〜R:50 | 録音時の左右バランス |
CTRL 3 | LEVEL | 0〜127 | 録音レベル |
Mixは本体の再生音と外部入力をまとめて録ります。ExtInは外部入力だけを録ります。
外部入力だけをサンプリングする
外部シンセ、スマートフォン、マイク、ギターなどを録る練習です。
- 外部機器をSP-404MKIIに接続します。
- 必要なら
EXT SOURCEボタンをオンにします。 RECボタンを押します。RECORD SETTINGボタンを押します。CTRL 2でROUTINGをExtInにします。CTRL 3でLEVELを調整します。EXITを押して待機画面に戻ります。- 赤点滅している空パッドを押します。
RECボタンを押して録音を開始します。- 録音を止めるには、録音中のパッドまたは
RECボタンをもう一度押します。
サンプリングを中止する場合はEXITボタンを押します。録音後、パッドにサンプルが保存されます。
INPUT FXをかけて録る
INPUT FXは、入力端子専用のエフェクトです。外部入力にエフェクトをかけた状態で録りたいときに使います。
RECボタンを押してサンプリング待機状態にします。RECORD SETTINGボタンを押して入力設定画面を開きます。VALUEつまみを押します。INPUT FX Setting画面が表示されます。VALUEつまみでEFX Typeにカーソルを合わせ、VALUEつまみを押します。VALUEつまみでエフェクトを選び、もう一度押して決定します。CTRL 1〜CTRL 3でパラメーターを調整します。
INPUT FXには、Bypass、Auto Pitch、Vocoder、Harmony、Gt Amp Sim、Chorus、JUNO Chorus、Reverb、TimeCtrlDly、Chromatic PS、Downer、WrmSaturator、303 VinylSim、404 VinylSim、Cassette Sim、Lo-fi、Equalizer、Compressorなどがあります。
声を録るならCompressorやAuto Pitch、ギターならGt Amp Sim、スマートフォン音源ならEqualizerや404 VinylSimから試します。
カウントとメトロノームを使う
録音開始前にカウントを入れたい場合は、SHIFT + パッド10を使います。メトロノームのオン/オフはSHIFT + パッド9です。
| 操作 | 内容 |
|---|---|
SHIFT + パッド9 | メトロノームのオン/オフ |
SHIFT + パッド10 | サンプリング/パターン記録前のカウント設定 |
SHIFT + パッド11 | タップ・テンポ |
外部演奏を録るときは、先にタップ・テンポでBPMを合わせてから録ると、あとでBPM SYNCやパターン化が楽になります。
リサンプリングする
リサンプリングは、SP本体で再生したサンプルやエフェクト後の音を、別のパッドへ録る機能です。複数パッドを1つにまとめたり、エフェクト操作を固定したりできます。
- リサンプルしたい素材を用意します。
- 必要ならBUS FXを設定します。
RESAMPLEボタンを押します。CTRL 2で録音する長さを1〜32小節、または∞から選びます。RECORD SETTINGボタンを押します。CTRL 2でROUTINGをMixにします。EXITまたはRESAMPLEボタンを押して戻ります。- 赤点滅している空パッドを押します。
- 空パッドがオレンジ点灯し、
Press Pad to STARTと表示されます。 - リサンプルしたいパッドを押します。
- サンプル再生と同時にサンプリングが始まります。
- 終了するときは、録音中のパッドまたは
RECボタンを押します。

画像出典: SP-404MKII Reference Manual Version 5.50 / サンプルを再度サンプリングする(RESAMPLE)
RECボタンを押して好きなタイミングでサンプリングを始めることもできます。エフェクトを手で動かしてから録りたいときに便利です。
RESAMPLEのROUTINGを使い分ける
ROUTING | 録られる音 | 使いどころ |
|---|---|---|
Mix | 本体の再生音 + 外部入力 | 複数パッドやエフェクト込みの完成音を作る |
ExtIn | 外部入力のみ | 本体のサンプルを伴奏にしながら外部演奏だけ録る |
外部シンセをSPのループに合わせて弾き、それだけをサンプリングしたい場合はExtInを選びます。
SKIP BACK SAMPLINGを使う
SKIP BACK SAMPLINGは、サンプリング開始前の演奏をさかのぼって保存する機能です。初期値では過去約25秒間を扱えます。
- サンプルやパターンを再生するか、
EXT SOURCEをオンにして外部機器を演奏します。 - 一定以上のオーディオ・レベルが検出されると、スキップ・バック用メモリーへの録音が始まります。
- このとき
MARKボタンが点滅します。 - 「今の演奏を残したい」と思ったら
MARKボタンを押します。 SKIP BACK...と表示されたあと、録音された波形が表示されます。RECボタンを押します。Select Pad To Saveと表示され、空パッドが赤点滅します。- 保存先のパッドを押します。
保存せずにEXITを押したり電源を切ったりすると、SKIP BACKデータは失われます。残したい演奏は必ずパッドへ割り当てます。
SKIP BACKの注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期録音時間 | 最大約25秒 |
| 最大録音時間 | SYSTEMのMark FunctionをSBS Longにすると最大40秒 |
| 録音開始条件 | Auto Trig Levelを超える音声を検出 |
| 一時停止条件 | Auto Trig Levelを下回る状態が3秒続く |
| 使用できない組み合わせ | SKIP BACK SAMPLINGとLOOPERは同時使用不可 |
MARKボタンが点滅していない場合、スキップ・バック用メモリーには録音されていません。
サンプリング練習レシピ
| 作りたい素材 | 手順 | 保存先 |
|---|---|---|
| 外部シンセの1音 | ROUTING=ExtInで通常サンプリング | パッド8 |
| 声にエフェクトをかけた素材 | INPUT FXでAuto PitchやCompressorを選んで録音 | パッド9 |
| ドラム+エフェクトのフィル | BUS FXを動かしながらRESAMPLE | パッド13 |
| 偶然できたフレーズ | MARK点滅中にSKIP BACK保存 | パッド14 |
録った直後は、必ずパッドを押して再生範囲と音量を確認します。不要な前後の無音は第5章のSTART/ENDで整えます。
次に試すこと
次の章では、録った素材の頭と終わりを整え、マーカーでチョップし、ピッチやエンベロープで演奏しやすくします。