第3章 パッド再生とサンプル編集
SP-404MKIIの演奏性は、パッドごとの再生設定で大きく変わります。同じサンプルでも、押している間だけ鳴らすのか、1回だけ最後まで鳴らすのか、ループさせるのかで、使い方が変わります。
この章では、バンクAに置いた素材を使って、パッド再生の基本設定を具体的に試します。
再生設定の使い分け
| 機能 | 操作 | 向いている素材 |
|---|---|---|
GATE | GATEボタン | 押している間だけ鳴らしたい声ネタ、長い素材 |
ONE SHOT PLAYBACK | VALUEつまみを押しながらGATEボタン | Kick、Snare、Hatなど最後まで鳴らしたい音 |
LOOP | LOOPボタン | ドラムループ、環境音、長いフレーズ |
REVERSE | REVERSEボタン | 逆再生効果、ライザー、効果音 |
BPM SYNC | BPM SYNCボタン | テンポに合わせたいループ素材 |
ドラム素材はONE SHOT、長い声ネタはGATE、ループ素材はLOOPとBPM SYNCから始めると整理しやすいです。
GATEで押している間だけ鳴らす
- 声ネタや長いサンプルのパッドを押して選びます。
GATEボタンを押します。- パッドを押している間だけ再生され、指を離すと止まることを確認します。
- もう一度
GATEボタンを押すと、GATEをオフにできます。
短いドラムにはGATEを使わない方が安定します。ライブで長い素材を一瞬だけ出したいときはGATEが便利です。
ONE SHOTで最後まで鳴らす
- KickやSnareのパッドを選びます。
VALUEつまみを押しながらGATEボタンを押します。ONE SHOT PLAYBACKをオンにします。- パッドを短く押しても、サンプルが最後まで鳴ることを確認します。
ドラム素材や効果音は、ONE SHOTにしておくと演奏中に音が途切れにくくなります。
LOOPで繰り返し再生する
- ループ素材のパッドを選びます。
LOOPボタンを押します。- パッドを押して再生し、繰り返し鳴ることを確認します。
- 止めたい場合は、同じパッドを押すか、
SHIFT+EXITで全サンプルを停止します。
SHIFT + LOOPを使うと、順再生と逆再生を交互に繰り返すPING-PONG LOOPを使えます。通常のループに飽きた素材で試します。
REVERSEで逆再生する
- 逆再生したいサンプルのパッドを選びます。
REVERSEボタンを押します。- パッドを押して逆再生を確認します。
- もう一度
REVERSEボタンを押すと通常再生に戻ります。
シンバル、声、長めの効果音は逆再生にすると、次の展開へ向かう音として使いやすくなります。
ROLLで細かく繰り返す
ROLLは、押している間だけサンプルを細かく繰り返す機能です。
SHIFT+ROLLでロール間隔を設定します。ROLLボタンを押しながら、対象パッドを押します。- ロール中に
ROLL+ パッド1〜4を押すと、ロール間隔を変更できます。
DJモードではロール間隔として1/4、1/2、1、2小節を扱います。通常演奏でも、フィルや一瞬の引っかかりを作る用途に向いています。
FIXED VELOCITYで音量を固定する
パッドを叩く強さで音量が変わりすぎる場合は、FIXED VELOCITYを使います。
SHIFTボタンを押しながらパッド1を押します。FIXED VELOCITYがオンになります。- サンプルのベロシティーが127、つまり最大に固定されます。
- もう一度同じ操作で切り替えます。
ドラムの打ち込みやライブでは、音量が安定するので便利です。逆に強弱を演奏に出したい場合はオフにします。
16 VELOCITYで強弱を演奏する
1つのサンプルを、16段階の音量で演奏できます。
- 音量差を付けたいサンプルのパッドを選びます。
SHIFTボタンを押しながらパッド2を押します。- 16 VELOCITYモードで、パッドごとに違う強さを演奏します。
同じSnareを弱く入れたり、Hatの強弱を作ったりするときに使います。
CHROMATICで音階を付ける
サンプルを音階付きで演奏できます。
- 音階化したいサンプルのパッドを選びます。
SHIFTボタンを押しながらパッド4を押します。CHROMATICモードで、パッドを鍵盤のように使います。
ベースのワンショットや声ネタをメロディ化したいときに使います。正確な音程が必要な場合は、あとでPITCH/SPEED画面でピッチを調整します。
Pad MUTEで一時的に鳴らさない
Pad MUTEは、特定サンプルの再生をミュートする機能です。
SHIFTボタンを押しながらREVERSEボタンを押します。- Pad MUTE操作に入ります。
- パッド
1〜16を押して、ミュートをオン/オフします。 - Pad MUTE MODEにしたい場合は、
SHIFT+REVERSE+REMAINを使います。
パターン再生中に、Kickだけ抜く、声ネタだけ消す、というライブ的な操作に使えます。
MUTE GROUPで音の重なりを防ぐ
MUTE GROUPは、同時に鳴ってほしくないサンプル同士をまとめる機能です。たとえばOpen HatとClosed Hat、同じブレイクのチョップ同士に使います。
SHIFTボタンを押しながらパッド8を押します。MUTE GROUPを設定します。- 同じグループに入れたサンプル同士は、同時に重ならないようになります。
長いサンプルを何度も押して音が重なる場合、MUTE GROUPを使うと演奏がすっきりします。
PAD LINK GROUPSで同時に鳴らす
1つのパッド操作で複数パッドを同時に鳴らしたい場合は、PAD LINK GROUPSを使います。
SHIFTボタンを押しながらパッド7を押します。- 同時に鳴らしたいパッドをグループ化します。
- 以降、1つのパッド操作で同じグループのパッドが同時に再生されます。
Kickと低い効果音を同時に鳴らす、声ネタとノイズを重ねる、といった演出に使えます。
全サンプルを止める/一時停止する
| 操作 | 内容 |
|---|---|
SHIFT + EXIT | 全サンプルの再生を停止 |
SHIFT + HOLD | 再生中サンプルを一時停止 |
ライブ中に長いループや残った音を止めたいときは、SHIFT + EXITを覚えておくと安心です。
パッド再生の実践設定
| パッド | 素材 | 推奨設定 |
|---|---|---|
1 Kick | 短いドラム | ONE SHOTオン、GATEオフ、LOOPオフ |
2 Snare | 短いドラム | ONE SHOTオン、GATEオフ |
3 Hat | 短いドラム | ONE SHOTオン、必要なら16 VELOCITY |
5 声ネタ | 1〜3秒 | GATEオンまたはONE SHOT |
7 1小節ループ | ループ素材 | LOOPオン、BPM SYNCオン |
8 効果音 | 長めのFX | REVERSEやGATEを試す |
設定が決まったら、パッドを押したときに期待した長さで鳴るかを必ず確認します。サンプル再生の癖を整えてからパターン録音へ進むと、あとで修正が少なくなります。
次に試すこと
次の章では、外部入力や本体内の再生音を録るサンプリング、リサンプリング、スキップ・バック・サンプリングを扱います。