第8章 エフェクトとミックス
SEQTRAKは11トラックを同時に鳴らせるため、音量、パン、リバーブ、ディレイ、マスターエフェクトを整理すると一気に聴きやすくなります。この章では、ミキサーモードとエフェクト操作を使って、作ったループを整えます。
エフェクトの3種類
SEQTRAKのエフェクトは、トラックエフェクト、センドエフェクト、マスターエフェクトの3種類に分かれます。
| 種類 | かかる範囲 | 主な操作 |
|---|---|---|
| トラックエフェクト | 選択中トラック | MASTER/SINGLEをSINGLE、FXノブ、タッチスライダー |
| センドエフェクト | 全トラック共用、トラックごとに送る量を調整 | REVERB SEND、DELAY SEND、ミキサーモード |
| マスターエフェクト | 最終出力全体 | MASTER/SINGLEをMASTER、FXノブ、タッチスライダー |
最初は、トラックごとのリバーブ/ディレイ送信量と、全体にかけるマスターエフェクトを分けて考えると迷いにくいです。
SINGLEエフェクトを使う
SINGLEは、選択中のトラックだけにかかるエフェクトです。
- エフェクトをかけたいトラックノブを押します。
MASTER/SINGLEスイッチをSINGLEにします。FXノブを回してエフェクトの種類を選びます。FX LEVELタッチスライダーをスライドして量を調整します。- 必要ならFX Pageボタンでページを切り替えます。
リードやサンプルにだけエフェクトをかけたい場合は、SINGLEを使います。KICKに強い空間系をかけると低域がぼやけるため、最初は避けます。
MASTERエフェクトを使う
MASTERは全体にかかるエフェクトです。ライブ演奏での変化や、全体の質感作りに向いています。
MASTER/SINGLEスイッチをMASTERにします。FXノブを回してエフェクトの種類を選びます。FX LEVELタッチスライダーを動かします。HIGH PASSタッチスライダーで低域を削る効果を試します。REPEATERタッチスライダーでビートリピートを試します。
HIGH PASSとREPEATERは、主にパフォーマンス向けです。スライダーから指を離すと効果が切れるため、曲中の一瞬だけ使う操作に向いています。
CLEAR FXで戻す
エフェクト量が大きくなりすぎた場合は、CLEAR FXを使います。
CLEAR FXボタンを押します。- 選択中のエフェクトパラメーター量が最小になります。
ライブ練習では、強くかける操作とCLEAR FXで戻す操作をセットで覚えておくと安心です。
ミキサーモードに入る
ミキサーモードでは、全トラックのPAN、VOLUME、REVERB SEND、DELAY SENDを、トラックノブのLEDを見ながら調整できます。
ALLノブを押しながらVOL+ボタンを押します。- インデックスの
MIXERが点灯します。 - 終了するときも、
ALLノブを押しながらVOL+ボタンを押します。
ミックス調整は、通常画面で個別にやるより、ミキサーモードに入った方が全体を見渡しやすくなります。
ミキサーモードで調整する
ミキサーモードでは、Sound Designノブ1〜4を押して調整対象を選び、各トラックノブを回して値を変えます。
| Sound Designノブ | 調整対象 | 使いどころ |
|---|---|---|
ノブ1 | PAN | 左右位置 |
ノブ2 | VOLUME | トラック音量 |
ノブ3 | REVERB SEND | リバーブへ送る量 |
ノブ4 | DELAY SEND | ディレイへ送る量 |
ALLノブを回すと、選択中の対象に応じて、プロジェクト全体のPAN、全体VOLUME、REVERB RETURN LEVEL、DELAY RETURN LEVELを調整できます。
最初のミックス手順
- ミキサーモードに入ります。
- Sound Designノブ
2を押してVOLUMEを選びます。 KICKとSYNTH 1を基準にします。SNAREまたはCLAPを、KICKより少し下げます。HAT 1とHAT 2は、聴こえるが前に出すぎない位置にします。SYNTH 2やDXは、メロディが聞こえる程度にします。SAMPLERは、素材の音量差が大きいので最後に整えます。
低域の主役はKICKとSYNTH 1です。この2つが同時に大きすぎると、他の音が聞こえにくくなります。
REVERB SENDを使う
リバーブは奥行きを作ります。全トラックに同じ量をかけるのではなく、必要なトラックだけ送ります。
- ミキサーモードでSound Designノブ
3を押します。 - 各トラックノブを回して
REVERB SENDを調整します。 SYNTH 2、DX、SAMPLERを少し送ります。- KICKやベースは低めにします。
REVERB SEND調整中にFXノブを回すと、REVERBのプリセットを変更できます。RETURN LEVELはALLノブで調整できます。
DELAY SENDを使う
ディレイは、リードやサンプルに動きを足します。
- ミキサーモードでSound Designノブ
4を押します。 SYNTH 2またはDXのトラックノブを回してDELAY SENDを上げます。FXノブでディレイのプリセットを切り替えます。- RETURN LEVELを
ALLノブで調整します。
速いフレーズにディレイをかけすぎると音が濁ります。まずはリードだけ、サンプルだけ、のように対象を絞ります。
ミュートとソロで確認する
| 操作 | 手順 |
|---|---|
| トラックをミュート | MUTE + トラックノブ |
| すべてのミュート解除 | MUTE + ALLノブ |
| トラックをソロ | SOLO + トラックノブ |
| ソロ解除 | 同じ操作をもう一度 |
ミックス中は、KICKとSYNTH 1だけを聴く、ドラムだけを聴く、上物だけを聴く、という確認をします。ソロは調整、ミュートは展開作りに使うと考えると整理しやすいです。
ミュートモードでライブ向けにする
ミュートモードでは、MUTEボタンを押さなくてもトラックノブだけでミュートできます。
ALLノブを押しながらMUTEボタンを押します。ALLノブの3つのLEDが緑色に点灯します。- トラックノブを押すと、そのトラックをミュートできます。
ALLノブを押すと、すべてのトラックのミュートを解除できます。- 終了するときは
MUTEボタンを押します。
ミュートモード中は、パターンの予約切り替えはできません。ライブでミュート演奏をする区間と、パターン切り替えをする区間を分けて考えます。
ミックス練習レシピ
| トラック | 音量 | REVERB SEND | DELAY SEND | コメント |
|---|---|---|---|---|
KICK | 基準 | なし〜小 | なし | 低域の中心 |
SNARE/CLAP | KICKより少し下 | 小〜中 | なし〜小 | 空間を少し足す |
HAT | 小さめ | 小 | なし | 大きいと疲れる |
SYNTH 1 | KICKと同じくらい | 小 | なし | ベース役 |
SYNTH 2 | 主役なら大きめ | 中 | 小〜中 | メロディ役 |
DX | 小〜中 | 中 | 小 | ベルやアクセント |
SAMPLER | 素材に合わせる | 小〜中 | 必要に応じて | 音量差に注意 |
この表は厳密な数値ではなく、最初に耳で整える順番です。具体値を細かく管理したい場合は、SEQTRAKアプリのGUI EDITORで確認します。
次に試すこと
次の章では、ソングモードとシーンモードを使って、イントロ、メイン、ブレイク、ドロップの流れを作ります。