第1章 SEQTRAKでできること
SEQTRAKは、ビート、ベース、コード、メロディ、サンプル、エフェクト、曲構成を1台で扱うグルーヴボックスです。T-8やS-1のように1つの役割に集中する機材とは違い、SEQTRAKでは「どのトラックに何を任せるか」を決めることが最初のコツになります。
この章では、本体を鳴らしながら、SEQTRAKの全体像をつかみます。まだ細かい音作りはしません。まずは、プロジェクト、トラック、パターン、Drum/Synth/SAMPLERの関係を理解します。
SEQTRAKの基本構造
SEQTRAKは、曲のデータをProjectとして管理します。本体には8つのプロジェクトを保存でき、1つのプロジェクトは11トラックで構成されます。各トラックには最大6つのパターンを持たせられます。
| 単位 | 数 | 役割 |
|---|---|---|
| Project | 8個 | 曲やライブセットの単位 |
| Track | 11本 | KICK、SNARE、SYNTH 1などの演奏パート |
| Pattern | 各トラック最大6個 | ループするフレーズ |
| Scene | 最大16個 | 全トラックのパターン組み合わせを曲順に並べる単位 |
最初は、Projectを1曲の作業場所、Trackを楽器パート、Patternを短いループ、Sceneを曲の展開として考えるとわかりやすくなります。
11トラックの役割
SEQTRAKのトラックは、Drum、Synth、SAMPLERの3種類に分かれています。
| 種類 | トラック | 最初の使い方 |
|---|---|---|
| Drum | KICK、SNARE、CLAP、HAT 1、HAT 2、PERC 1、PERC 2 | 1音色ずつステップに置いてビートを作る |
| Synth | SYNTH 1、SYNTH 2 | AWM2音源でベース、リード、コード、パッドを作る |
| Synth | DX | FM音源でベル、エレピ、金属的なリードを作る |
| SAMPLER | SAMPLER | 7つのSynthキーにサンプルを割り当てて鳴らす |
Drumトラックは、Drumキーを16ステップのグリッドとして使います。Synth/SAMPLERトラックは、Synthキーで演奏したり、ステップ入力モードに入ってDrumキーへノートを置いたりします。
最初に触る場所
本体を前にしたら、次の順番で触ると迷いにくくなります。
[/PLAY]ボタンを2秒以上押して電源を入れます。[/PLAY]ボタンを短く押して、現在のプロジェクトを再生します。- もう一度
[/PLAY]ボタンを押して停止します。 - 再生停止中に各トラックノブを押して、トラックの音を試聴します。
KICK、SNARE、HAT 1、SYNTH 1、SAMPLERの場所を確認します。
再生停止中にトラックノブを押すと、そのトラックのサウンドを試聴できます。まずは、どのノブがどの音に対応しているかを耳で覚えます。
プロジェクト4を練習用にする
工場出荷状態では、プロジェクト1〜3にデモデータが入っています。プロジェクト4〜8は、KICKの1ステップだけが入った状態です。最初の練習では、プロジェクト4を使うと始めやすいです。
PROJECT ↑ボタンを押したままにします。- Drumキー
4を押します。 - Drumキー
4が黄色に点灯していることを確認します。
プロジェクトを切り替えると、切り替える前のプロジェクトは自動保存されます。再生中にプロジェクトを切り替えると再生は停止します。デモを残しておきたい場合は、プロジェクト1〜3を練習用に上書きしないようにします。
パターンを回して鳴り方を確認する
各トラックノブを回すと、そのトラックのパターンを切り替えられます。ALLノブを回すと、11トラックすべてのパターンをまとめて切り替えられます。
[/PLAY]を押して再生します。KICKノブを回して、KICKだけのパターンが変わることを確認します。SNAREノブやHAT 1ノブも回します。ALLノブを回して、全トラックのパターンがまとめて変わることを確認します。- 停止するときは
[/PLAY]を押します。
再生中に即座に切り替えたいときはノブを回します。小節の区切りに合わせて切り替えたいときは、トラックノブを押しながら回します。この「即時切り替え」と「予約切り替え」の違いは、ライブ演奏でとても重要です。
SEQTRAKで1曲を作る流れ
最初の制作では、いきなり全トラックを使う必要はありません。次の5トラックだけで十分に曲の骨格を作れます。
| 順番 | 使うトラック | 作るもの |
|---|---|---|
| 1 | KICK | 拍の土台 |
| 2 | SNAREまたはCLAP | 2拍目と4拍目のアクセント |
| 3 | HAT 1 | 8分または16分の刻み |
| 4 | SYNTH 1 | ベース |
| 5 | SYNTH 2またはDX | メロディ、コード、短いフレーズ |
余裕が出たら、SAMPLERで声ネタや効果音を足し、PERC 1やPERC 2で細かいリズムを加えます。
本体とアプリの役割
SEQTRAKは本体だけでも制作できますが、SEQTRAKアプリを使うと細かい編集が楽になります。
| やりたいこと | 本体が得意 | アプリが得意 |
|---|---|---|
| すばやくループを作る | かなり得意 | 補助 |
| ライブでパターンを切り替える | 得意 | 補助 |
| 音色パラメーターを深く編集する | 基本操作 | 詳細編集 |
| サンプルやプロジェクトを整理する | 限定的 | 得意 |
| バックアップする | 限定的 | 得意 |
| ビジュアルを作る | なし | 得意 |
まずは本体で1ループを作り、あとからアプリで音色、サンプル、バックアップを整理する流れがおすすめです。
次に試すこと
次の章では、プロジェクト4を使って、1小節のビート、ベース、短いメロディ、サンプルを入れた最初のループを作ります。