第10章 接続とリファレンス
S-1は、USB、MIDI、SYNCで外部機器と連携できます。AIRA Compact同士ならSYNCでテンポを合わせ、DAWや外部シーケンサーと使うならUSB MIDIやMIDI IN/OUTを使います。
この章では、接続、同期、バックアップ、リストア、ファクトリー・リセット、仕様確認をまとめます。
接続方法を目的で選ぶ
| 目的 | 接続 | 主な役割 |
|---|---|---|
| パソコンへ録音する | USB | USBオーディオ、USB MIDI |
| DAWからテンポ同期する | USB MIDI | クロック、再生同期 |
| 外部鍵盤で弾く | MIDI IN | ノート入力 |
| 外部シーケンサーで鳴らす | MIDI IN | ノート、コントロール |
| T-8やJ-6とテンポを合わせる | SYNC IN/OUT | テンポ同期 |
| 外部音をまとめる | MIX IN | 入力音をMIX OUTへ送る |
同期で大切なのは、親になる機材を1台に決めることです。DAWを親にするならS-1はUSBやMIDIでクロックを受けます。T-8を親にするなら、T-8のSYNC OUTからS-1のSYNC INへ送ります。
USBでパソコンにつなぐ
S-1はUSB Audio Device Class 2.0に対応しているため、公式マニュアルではパソコンやモバイル機器への専用ドライバーのインストールは不要とされています。
- S-1とパソコンをUSBケーブルで接続します。
- DAWやOSのオーディオ/MIDI設定でS-1を選びます。
- S-1を再生し、入力が来ているか確認します。
USBハブを経由すると正常に通信できない場合があります。認識しない場合は、まずS-1とパソコンを直接接続します。充電専用USBケーブルではデータ通信できないので、ケーブルも確認します。
AIRA LINKをOFFにする
通常のパソコンやモバイル機器と接続する場合は、AIRA LINKをOFFにします。
SHIFT+ パッド15(MENU)を押します。TEMPO/VALUEでA.LnKを選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 TEMPO/VALUEでOFFを選びます。- パッド
1(EXIT)を押します。 - もう一度パッド
1(EXIT)を押します。 - 設定後、電源を入れ直します。
MX-1などAIRA LINK対応機器と使う場合だけ、必要に応じてオンにします。
iOS機器と接続する
USB Type-C端子のiOSデバイスの場合は、両端がUSB Type-CのUSBケーブルで接続します。このとき、S-1はiOSデバイスから電源供給を受けることができます。
Lightning端子のiOSデバイスの場合は、バッテリー動作固定モードで起動します。
- パッド
1(EXIT)を押しながら電源を入れます。 - バッテリー動作固定モードで起動します。
- Apple純正のLightning - USBカメラアダプタなどで端子を変換します。
- USB Type-C - USB AケーブルでS-1とUSBアダプターを接続します。
市販のUSB Type-C - Lightning変換ケーブルは使用できません。Android端末は動作保証対象外です。
SYNCでAIRA Compact同士を合わせる
T-8、J-6、S-1を小型セットとして使う場合は、SYNC IN/OUTでテンポを合わせる方法がわかりやすいです。
例として、T-8を親、S-1を子にする場合です。
- T-8のSYNC OUTからS-1のSYNC INへ、モノラル・ミニ・プラグのケーブルで接続します。
- S-1のパターンを選びます。
- T-8を再生します。
- S-1がテンポに追従するか確認します。
SYNC INに外部機器が接続されている場合、S-1はMIDI Clock Syncの設定にかかわらずSYNC INのクロックに同期します。USBやMIDIで同期したいのにうまくいかない場合は、SYNC INのケーブルを外して確認します。
MIDIで外部機器とつなぐ
S-1のMIDI IN/OUT端子には、TRS/TRSコネクティング・ケーブル、またはTRS/MIDIコネクティング・ケーブルを使います。
外部鍵盤やシーケンサーからS-1を鳴らす場合は、MIDIチャンネルと同期設定を確認します。メニューの入り方は共通です。
SHIFT+ パッド15(MENU)を押します。TEMPO/VALUEで項目を選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 TEMPO/VALUEで値を変えます。- パッド
1(EXIT)で戻ります。
外部シーケンサーを使う場合は、MIDIインプリメンテーション・チャートで対応するノート番号、コントロール・チェンジ、ピッチ・ベンドの扱いを確認します。
バックアップする
バックアップでは、S-1をUSBドライブとしてパソコンに表示し、BACKUPフォルダー内のファイルをコピーします。
- S-1とパソコンをUSBケーブルで接続します。
PLAYを押しながら電源を入れます。- ドライブの準備が終わるまで待ちます。
- パソコンで
S-1ドライブを開きます。 BACKUPフォルダー内のすべてのファイルをパソコンへコピーします。- コピーが完了したら、パソコン上でUSBドライブを取り出します。
- S-1の電源をオフにします。
ドライブの準備には1〜2分程度かかります。準備の進み具合は、キーボード・パッドの点灯で確認できます。
バックアップ先のフォルダー名は、日付と用途を入れておくと戻しやすくなります。
| フォルダー名 | 用途 |
|---|---|
2026-05-12_s1_live-set | ライブ用セット |
2026-05-12_s1_before-reset | 初期化前 |
2026-05-12_s1_song-a | 曲Aの制作途中 |
リストアする
リストアでは、バックアップしたファイルをRESTOREフォルダーへコピーします。
- バックアップ手順1〜4と同じ操作で、パソコンから
S-1ドライブを開きます。 RESTOREフォルダーへバックアップ・ファイルをコピーします。- コピーが完了したら、パソコン上でUSBドライブを取り出します。
HOLDを押します。- リストアが実行されます。
dOnEと表示されたら、S-1の電源をオフにします。
リストアは現在の本体データを置き換える操作です。必要なデータが残っている場合は、先にバックアップします。
ファクトリー・リセットする
ファクトリー・リセットは、S-1を工場出荷時の状態に戻します。必要なパターンがある場合は、必ず先にバックアップします。
HOLDを押しながら電源を入れます。FACtと表示され、D-MOTIONが点滅します。- 中止する場合は、この時点で電源を切ります。
- 実行する場合は
D-MOTIONを押します。 dOnEと表示され、すべてのボタンが点滅したら、S-1の電源を入れ直します。
仕様として覚えておくこと
制作や接続でよく参照する仕様をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大同時発音数 | 4音 |
| ユーザー・パターン数 | 64 |
| ステップ・シーケンサー | 最大64ステップ |
| エフェクト | DELAY、REVERB、CHORUS |
| ディスプレイ | 7セグメント4桁LED |
| USB | USB Type-C、オーディオ/MIDI |
| MIDI端子 | MIDI IN/OUT、ステレオ・ミニ・タイプ |
| SYNC端子 | SYNC IN/OUT、ミニ・タイプ |
| 電池持続時間 | 約4.5時間 |
| 充電時間 | 約3時間 |
電池持続時間や充電時間は使用状況によって変わります。ライブや長時間作業では、USB給電または十分な充電を前提にします。
トラブル時の確認
| 困ったこと | 確認すること |
|---|---|
| 作ったパターンが消えた | SHIFT + パッド16(WRITE)で保存していたか |
| USBで認識しない | 充電専用ケーブルではないか、USBハブを外す |
| DAW同期しない | 同期元が1つに決まっているか、SYNC INにケーブルが入っていないか |
| MIDIで鳴らない | MIDIチャンネル、ケーブル種別、ノート範囲 |
| バックアップできない | PLAYを押しながら電源を入れたか |
| リストアできない | RESTOREフォルダーへコピーし、取り出し後にHOLDを押したか |
S-1の基本ガイドはここで一巡です。音を作り、ステップに置き、モーションで動かし、保存とバックアップで守る流れが身につくと、T-8やJ-6と組み合わせた制作でも迷いにくくなります。