第7章 演奏機能
S-1は、作ったパターンを再生するだけでなく、演奏中にアルペジオ、ステップ・ループ、D-MOTION、RISERで変化を加えられます。ライブでは、これらを長く使うより、展開の直前やブレイクで短く使うと効果的です。
この章では、実際に再生しながら触る機能をまとめます。
アルペジオをオンにする
S-1のアルペジエーターは、複数のキーボード・パッドを同時に押さえたときに動作します。単音をノン・レガートで弾いたときは通常の演奏になります。
SHIFTを押しながらパッド8(ARPEGGIO ON)を押します。TEMPO/VALUEでOnを選びます。- オフにする場合は
OFFを選びます。
Version 1.02では、SHIFT + パッド8(ARPEGGIO ON)を繰り返し押すことで、オン/オフを切り替えることもできます。
アルペジオのタイプと速さ
アルペジオのタイプは、SHIFT + パッド9(ARPEGGIO TYPE)で選びます。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
UP | 上昇 |
doWn | 下降 |
UP.dW | 上昇下降 |
UP.2 | 2オクターブ上昇 |
dW.2 | 2オクターブ下降 |
U.d.2 | 2オクターブ上昇下降 |
rand | ランダム |
rnd.2 | 2オクターブ・ランダム |
アルペジオのノート長は、SHIFT + パッド10(ARPEGGIO RATE)で選びます。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
1_4 | 4分音符 |
1_8 | 8分音符 |
1_16 | 16分音符 |
1_32 | 32分音符 |
8t | 3連8分音符 |
16t | 3連16分音符 |
32t | 3連32分音符 |
まずはUPと1_8で試します。細かくしたい場合は1_16、予測できない動きにしたい場合はrandを使います。
HOLDと組み合わせる
アルペジオ演奏時にHOLDを点灯させると、キーボード・パッドを離してもアルペジオ演奏が続きます。
- アルペジオをオンにします。
HOLDを押して点灯させます。- 複数のキーボード・パッドを同時に押さえます。
- 指を離して、アルペジオが続くか確認します。
- 別の和音を押し直すと、新しい和音でのアルペジオに切り替わります。
和音の各音を押すタイミングが大きくずれると、演奏開始部分のタイミングがずれる場合があります。できるだけ同時に押します。
ステップ・ループで一瞬だけ引っかける
ステップ・ループは、再生中に選んだステップを繰り返す機能です。
PLAYを押してパターンを再生します。SHIFTを押しながらPATTERNを押します。PATTERNが点滅し、ステップ・ループ状態になります。- 繰り返したいステップ・パッド1〜16を押し続けます。
- 終了するときは
PATTERNを押します。
複数のステップを同時に選ぶこともできます。たとえば、ステップ13〜16を押し続けると、ループ終わりのフレーズを引っかけるように繰り返せます。
| 使いどころ | 操作例 |
|---|---|
| ブレイク直前 | ステップ13〜16を短くループ |
| フィル風 | 1ステップだけ連打 |
| 展開のつなぎ | 4ステップを押し続けて次のパターンへ移る |
D-MOTIONを使う
D-MOTIONは、本体の傾きで音色をコントロールする機能です。
PLAYを押してパターンを再生します。- 本体の両側をしっかり持ちます。
D-MOTIONを押しながら、本体を前後または左右に傾けます。- 傾きに応じて音色が変化します。
- 元の音色に戻すときは、
D-MOTIONから指を離します。
ケーブルに負荷がかからないように注意します。ライブで使う場合は、事前にどの方向でどれくらい変わるか確認しておきます。
D-MOTIONを設定する
D-MOTIONでどのパラメーターを動かすかは設定できます。
SHIFTを押しながらD-MOTIONを押します。TEMPO/VALUEでパラメーターを選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 TEMPO/VALUEで値を変更します。
左右方向のroLL、前後方向のPtchに対して、次のような効果を割り当てられます。
| 値 | 内容 |
|---|---|
OFF | 効果なし |
Nod | モジュレーション |
FrEq | FILTERのカットオフ |
rESo | FILTERのレゾナンス |
P.bnd | ピッチ・ベンド |
PAn | パン |
EXP | エクスプレッション |
d.LEv | ディレイ音量 |
r.LEv | リバーブ音量 |
最初はFrEqを割り当てると、傾きによる変化がわかりやすいです。派手にしすぎると演奏が不安定になるので、パターンの主役を壊さない範囲で使います。
RISERで盛り上げる
RISERは、曲の盛り上がりに向けて上昇音を加える機能です。S-1では、RISER機能が有効なとき、NOISEつまみでライザー/ダウナーをコントロールできます。
ライザーの設定はメニューから行います。
SHIFT+ パッド15(MENU)を押します。TEMPO/VALUEでrS.Ndを選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 TEMPO/VALUEでモードを選びます。
| 値 | 内容 |
|---|---|
OFF | NOISEつまみは通常のノイズ・レベル |
SynC | テンポに合わせて4分音符の裏拍で断続的に出力 |
qUiv | NOISEを上げるほど出力間隔が短くなる |
qvPn | NOISEを上げるほど左右移動が速くなる |
RISER機能が有効なとき、NOISEつまみの最小から中央までが上昇、中央から最大までが下降のイメージです。最小または最大ではライザー音がミュートされます。
SHIFTを押しながらパッド1(EXIT)とパッド2(ENTER)を同時に押すと、押すたびにRiser Modeを切り替えられます。
マスター・プロバビリティー
プロバビリティーを99以下にしたステップがある場合、マスター・プロバビリティーでパターン全体の演奏確率をまとめて変化させられます。毎回少し違うフレーズにしたいときに使います。
使うときは、まず各ステップのプロバビリティーを作ります。
- ステップ13など、変化させたいステップを押し続けます。
D-MOTIONでP.100などのプロバビリティー表示にします。TEMPO/VALUEでP.80などに下げます。- マスター・プロバビリティーで全体の揺れを調整します。
最初は1〜2ステップだけにしておくと、どこが変化しているか聴き取りやすくなります。
演奏機能を使う順番
ライブで迷わないように、次のように役割を決めておくと扱いやすくなります。
| 場面 | 使う機能 |
|---|---|
| イントロ | FREQを閉じ、アルペジオを薄く使う |
| メイン | 保存済みのパターンをそのまま再生 |
| ブレイク | ステップ・ループで短く反復 |
| 盛り上げ前 | RISERを中央へ向けて上げる |
| ドロップ直前 | D-MOTIONでフィルターやディレイを動かす |
次の章では、ディレイ、リバーブ、コーラスを使って、S-1の音をミックスの中に置く方法を扱います。