第6章 シーケンサーとモーション
S-1のシーケンサーでは、ノートだけでなく、ベロシティー、ゲート、プロバビリティー、サブ・ステップ、モーションを編集できます。短いフレーズでも、ゲートやモーションを変えるだけで表情が大きく変わります。
この章では、ステップ・パッド入力、キーボード・パッド編集、リアルタイム入力、モーションの削除までを扱います。
入力方法を選ぶ
S-1の入力方法は、STEPとRECの状態で変わります。
| 状態 | 入力方法 | 向いている作業 |
|---|---|---|
REC消灯、STEP点灯 | ステップ・パッドで入力 | 発音タイミングを先に作る |
STEP消灯、REC点灯 | キーボード・パッドで編集 | 和音や音程を確認しながら編集 |
STEP点灯、REC点灯 | ステップを選んで詳細編集 | ノート、ゲート、確率、モーション編集 |
REC点灯、再生 | リアルタイム入力 | 手弾きやつまみ操作を録音 |
最初は、REC消灯、STEP点灯でステップ・パッドにC5を置き、あとから音程やゲートを変える方法がわかりやすいです。
ステップ・パッドで入力する
RECを消灯させます。STEPを点灯させます。- 入力したいステップ・パッド1〜16を押します。
選んだステップにC5が入力され、ステップ・パッドが点灯します。もう一度同じステップ・パッドを押すと、そのノートが削除され、消灯します。
ページを切り替えるには、パッドPORTA ONとPORTA TIMEを使います。
| ページ | 範囲 |
|---|---|
| 1 | ステップ1〜16 |
| 2 | ステップ17〜32 |
| 3 | ステップ33〜48 |
| 4 | ステップ49〜64 |
長いパターンを作る前に、まず16ステップだけでフレーズを完成させます。64ステップは、展開を作りたいときに広げます。
ノートや演奏情報を変更する
ステップに入っているノートの情報を変えるには、対象ステップを押しながらD-MOTIONを押します。
- 編集したいステップ・パッドを押し続けます。
- 押し続けたまま
D-MOTIONを押します。 - 表示したい項目になるまで
D-MOTIONを押します。 - ステップを押したまま
TEMPO/VALUEを回します。
切り替わる項目は次の通りです。
| 項目 | 表示例 | 内容 |
|---|---|---|
| ノート・ナンバー | n.C5 | 音程。C-1〜G9 |
| ベロシティー | v.100 | 強さ。1〜127 |
| ゲート | G.80 | 音の長さ。1〜100 |
| プロバビリティー | P.100 | 鳴る確率。1〜100 |
| サブ・ステップ | o-- | 1ステップ内の分割 |
ゲートを100にした場合、次のステップに同じノート・ナンバーが入力されているとタイとして演奏されます。プロバビリティーを下げると、毎回鳴らない揺らぎを作れます。
タイを入力する
音を次のステップまで伸ばすには、HOLDを使います。
- 音の長さを変えたいステップ・パッドを押し続けます。
- 押し続けたまま
HOLDを押します。 - 次のステップまでのタイが入力されます。
次のステップにノートが入力されていると、タイは入力できません。タイが入っているステップを長押しすると、そのステップに入力されたノート・ナンバーが表示されます。
キーボード・パッドで和音を編集する
ステップ内に複数のノートを入れたい場合は、キーボード・パッドで編集します。
STEPを消灯させます。RECを点灯させます。- ディスプレイにステップ・ナンバーが表示されます。
TEMPO/VALUEで編集したいステップを選びます。- キーボード・パッドで鳴らしたいノートを点灯させます。
最大4音まで同時に鳴らせます。パッドを押すたびに点灯/消灯が切り替わり、ノートの入力と削除ができます。
このモードでは、ノートごとのベロシティーとゲートも編集できます。演奏情報を変えたいキーボード・パッドを押しながらD-MOTIONを押し、表示項目を選びます。値を変えるときは、キーボード・パッドを押しながらTEMPO/VALUEを回します。
リアルタイムに入力する
手弾き感を入れたいときは、リアルタイム入力を使います。
RECを点灯させます。PLAYを点灯させます。- ディスプレイに
rEcと表示され、録音が始まります。 - キーボード・パッドで演奏します。
- 終了するときは
PLAYを押して停止します。
リアルタイム入力では、外部MIDI機器からの演奏も録音できます。カウント・インやメトロノームを使うと、リズムに合わせた録音がしやすくなります。
モーションを入力する
モーションは、つまみ操作や受信したMIDIコントロール・チェンジ、ピッチ・ベンドなどの変化を記録し、再生する機能です。S-1では、1パターンあたり最大8種類のパラメーターとピッチ・ベンドの変化を記録/再生できます。
入力方法は主に3つあります。
| 方法 | 操作 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| ステップ指定 | ステップ・パッドを押しながらつまみを回す | 1ステップだけ明るくする |
| ステップ編集 | 選択中ステップ上でつまみを回す | ステップ単位で整理する |
| リアルタイム | 演奏中につまみを回す | なめらかなフィルター変化 |
登録可能なモーション数を超えるとFULLと表示されます。最初はFREQだけ、またはDECAYだけにして、変化を把握します。
モーションを削除する
モーションを消すには、SHIFT + パッド12(CLEAR MOTION)を使います。
SHIFT+ パッド12(CLEAR MOTION)を押します。- ディスプレイに
CLr.Nが点滅します。 - すべて消す場合はパッド
2(ENTER)を押します。 - 中止する場合はパッド
1(EXIT)を押します。
CLr.Nが点滅している実行待機状態でつまみを回すと、そのつまみのパラメーターだけを削除できます。削除された場合はCLr、対象が見つからなかった場合はnonEと表示されます。
ノートをまとめて削除する
パターン内のノートを消したい場合は、SHIFT + パッド11(CLEAR NOTE)を使います。
SHIFT+ パッド11(CLEAR NOTE)を押します。- ディスプレイに
CLr.nが点滅します。 - 実行する場合はパッド
2(ENTER)を押します。 - 中止する場合はパッド
1(EXIT)を押します。
ステップ単位で作業している場合は、対象ステップのノートだけを削除する流れになります。どの入力タイプで作業しているかによって対象が変わるため、削除前にSTEPとRECの状態を確認します。
実践: 16ステップの動きを作る
第2章の4つ打ちパターンに、少し変化を足します。
| ステップ | ノート | ゲート | プロバビリティー |
|---|---|---|---|
| 1 | C3 | 80 | 100 |
| 5 | C3 | 50 | 100 |
| 9 | G2 | 80 | 100 |
| 13 | A2 | 40 | 80 |
操作は次の順番です。
- 各ステップを押しながら
D-MOTIONでノートを選び、TEMPO/VALUEで音程を変えます。 - 同じステップを押しながら
D-MOTIONでゲートを選び、長さを変えます。 - ステップ13だけプロバビリティーを
P.80付近にします。 - ステップ1と9だけ
FREQのモーションを少し変えます。
これで、同じ4つ打ちでも、音程、長さ、鳴る確率、明るさに変化が出ます。
保存する
編集がまとまったら保存します。
SHIFT+ パッド16(WRITE)を押します。TEMPO/VALUEでPtnを選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。
次の章では、アルペジオ、ステップ・ループ、D-MOTION、RISERなど、演奏中に使う機能を扱います。