第3章 パネルと基本操作
S-1は、音作りのつまみとシーケンサー操作が同じパネル上に並んでいます。慣れるまでは、「今は音色を触っているのか」「パターンを選んでいるのか」「ステップを編集しているのか」を確認しながら操作します。
基本の読み方は次の通りです。
- 何をするかを選ぶ:
PATTERN、STEP、REC、SHIFT+ パッド - どこを編集するかを選ぶ: パッド1〜16、ステップ・パッド、キーボード・パッド
- 値を変える:
TEMPO/VALUEまたは専用つまみ - 決定/終了する: パッド
2(ENTER)、パッド1(EXIT) - 保存する:
SHIFT+ パッド16(WRITE)
トップ・パネル全体

画像出典: Roland S-1 取扱説明書 Version 1.02 / トップ・パネル
トップ・パネルは、大きく分けると次の領域で構成されています。
| 領域 | 主な役割 |
|---|---|
端子とVOLUME | SYNC、MIX IN/OUT、音量、充電状態 |
| 共通操作 | ディスプレイ、TEMPO/VALUE、SHIFT、PLAY、REC |
| LFO | RATE、WAVE FORMで揺れを作る |
| OSCILLATOR | RANGE、波形レベル、SUB、NOISEで素材を作る |
| FILTER | FREQ、RESO、LFO、ENVで明るさを変える |
| ENV/AMP | ATTACK、DECAY、SUSTAIN、RELEASE、AMPで鳴り方を作る |
| EFX | DELAY、REVERB、CHORUSで広がりを足す |
| パッド | 鍵盤、ステップ、ファンクション、メニュー操作 |
端子と音量
トップ側には、SYNC IN、SYNC OUT、MIX IN、MIX OUTがあります。SYNC INは外部機器から同期信号を受ける端子、SYNC OUTは外部機器へ同期信号を送る端子です。MIX INは外部音声をS-1に入れる端子、MIX OUTはS-1の音を出す端子です。ヘッドホンもMIX OUTに接続できます。
| 端子 | ケーブル | 注意 |
|---|---|---|
| SYNC IN/OUT | モノラル・ミニ・プラグ | ステレオ・ミニ・プラグは使わない |
| MIX IN/OUT | ステレオ・ミニ・プラグ | モノラル・ミニ・プラグは使わない |
| SYNC OUT | 同期信号用 | オーディオ機器を接続しない |
SYNC INに外部機器が接続されている場合、S-1はMIDI Clock Syncの設定にかかわらずSYNC INのクロックに同期します。同期がおかしいときは、まずSYNC INのケーブルを確認します。
共通操作エリア
| 操作子 | 役割 |
|---|---|
| ディスプレイ | 4桁の7セグメント表示。テンポ、値、メニュー項目を表示 |
TEMPO/VALUE | 表示中の値を変更 |
SHIFT | 他のボタンやつまみと組み合わせて追加機能を呼び出す |
PLAY | パターン再生。もう一度押すと停止 |
REC | 録音待機。再生すると録音開始 |
STEP | ステップ入力/編集に入る |
PATTERN | パターン選択 |
パターンがエディットされた場合、ディスプレイ右端にドットが点灯します。これは、保存していない変更がある目印です。
パッドの役割は状態で変わる
S-1のパッドは、状態によって意味が変わります。
| 状態 | パッドの役割 |
|---|---|
| 通常演奏 | キーボード・パッドとして音を鳴らす |
STEP点灯、REC消灯 | 白鍵がステップ・パッド1〜16になる |
STEP消灯、REC点灯 | キーボード・パッドでステップ内のノートを編集 |
PATTERN点灯 | パターン番号を選ぶ |
SHIFT併用 | パッド下に書かれたファンクションを呼び出す |
| メニュー内 | パッド1(EXIT)、パッド2(ENTER)として操作 |
「鍵盤を弾いているつもりなのにステップが入る」場合は、STEPが点灯している可能性があります。逆に、ステップを押したいのに音程が鳴る場合は、STEPが消灯している可能性があります。
SHIFTで呼び出す主な機能
よく使うSHIFT操作は、先に覚えておくと作業が速くなります。
| 操作 | 役割 |
|---|---|
SHIFT + パッド1(EXIT) | 終了、キャンセル |
SHIFT + パッド2(ENTER) | 決定、実行 |
SHIFT + パッド5(OSC DRAW) | OSC DRAW |
SHIFT + パッド6(OSC CHOP) | OSC CHOP |
SHIFT + パッド8(ARPEGGIO ON) | アルペジオのオン/オフ |
SHIFT + パッド11(CLEAR NOTE) | ノート削除 |
SHIFT + パッド12(CLEAR MOTION) | モーション削除 |
SHIFT + パッド13(DELAY) | ディレイ詳細設定 |
SHIFT + パッド14(REVERB) | リバーブ詳細設定 |
SHIFT + パッド15(MENU) | メニュー |
SHIFT + パッド16(WRITE) | 保存 |
J-6と違い、S-1では保存がパッド16(WRITE)です。保存操作は特によく使うので、手癖にしておくと安心です。
メニューの入り方
深い設定はSHIFT + パッド15(MENU)から入ります。
SHIFTを押しながらパッド15(MENU)を押します。TEMPO/VALUEで項目を選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 TEMPO/VALUEで値を変更します。- パッド
1(EXIT)で1つ戻ります。 - もう一度パッド
1(EXIT)で終了します。
メニューでは、AIRA LINK、MIDIチャンネル、同期、ノイズ・モード、LFO Sync、CHORUS、パターンコピー、初期化、リロードなどを扱います。最初は、保存、コピー、同期、CHORUSだけ覚えれば十分です。
リア・パネル

画像出典: Roland S-1 取扱説明書 Version 1.02 / リア・パネル
リア・パネルには、電源、USB、MIDI IN/OUTがあります。
| 端子・スイッチ | 役割 |
|---|---|
POWER | 電源オン/オフ |
| USB Type-C | USBオーディオ、USB MIDI、給電 |
| MIDI IN/OUT | 外部MIDI機器との接続、同期 |
USB端子では、パソコンやiOS機器とオーディオ・データやMIDIデータをやり取りできます。充電専用USBケーブルではデータ通信ができないので、認識しない場合はケーブルを確認します。
MIDI IN/OUT端子には、TRS/TRSコネクティング・ケーブル、またはTRS/MIDIコネクティング・ケーブルを使います。オーディオ機器を接続してはいけません。
まず覚えるパネル感覚
S-1の基本操作は、次の順番で読めるようになります。
PATTERNでパターンを選ぶSTEPとRECで入力方法を選ぶ- パッドでステップやノートを選ぶ
D-MOTIONとTEMPO/VALUEでステップ情報を編集する- つまみで音色を変える
SHIFT+ パッドで深い機能へ入る- パッド
1(EXIT)とパッド2(ENTER)で戻る/決定する SHIFT+ パッド16(WRITE)で保存する
次の章では、OSCILLATOR、FILTER、ENV、LFOを使って、S-1の音作りを具体的に扱います。