第2章 最初のシンセ・パターンを作る
この章では、S-1で最初のパターンを作ります。狙いは、複雑な音色を作り込むことではありません。空きパターンを選び、16ステップにノートを置き、音を少し整え、保存するところまでを手で覚えることです。
ここでは、ステップ1、5、9、13にノートを置く、シンプルな4つ打ち風のシンセ・パターンを作ります。ノートは最初にC5で入り、あとから音程を変えます。
準備する
最初に、MIX OUTへヘッドホンまたはスピーカーを接続します。VOLUMEを絞った状態で電源を入れ、少しずつ音量を上げます。
外部機器やDAWへ接続する前に、まずS-1単体で音が出る状態にします。USBで給電している場合は、CHARGEインジケーターの状態も確認します。赤く点灯している場合はバッテリー残量が少ない状態です。
空きパターンを選ぶ
最初は、工場出荷時で空になっているバンク2以降を使います。
PATTERNを押しながらパッド1〜4を押して、バンクを選びます。- ここではパッド
2を押して、バンク2を選びます。 PATTERNから指を離します。- パッド1〜16でナンバーを選びます。
- ここではパッド
1を押して、パターン2-01を選びます。
PATTERNを押している間、選択中のバンクのパッドが点灯し、その他のバンクのパッドが点滅します。PATTERNが点灯している状態では、TEMPO/VALUEを回してパターンを選ぶこともできます。
テンポを決める
通常画面でTEMPO/VALUEを回すとテンポを変更できます。細かい値を調整したい場合は、SHIFTを押しながらTEMPO/VALUEを回します。
最初は120前後にしておくと、16ステップの位置がつかみやすくなります。T-8と合わせる予定がある場合も、まず単体でループを作ってから同期設定へ進みます。
ステップ入力の状態にする
S-1では、STEPとRECの点灯状態で入力方法が変わります。最初は、ステップ・パッドでノートを置く方法を使います。
RECを消灯させます。STEPを点灯させます。- キーボード・パッドの白鍵がステップ・パッド1〜16として働くことを確認します。
この状態では、ステップ・パッドを押すと、そのステップにノートC5が入力されます。もう一度同じステップを押すと、そのノートが削除されます。
4つのステップにノートを入れる
まずはステップ1、5、9、13にノートを入れます。
- ステップ・パッド1を押して点灯させます。
- ステップ・パッド5を押して点灯させます。
- ステップ・パッド9を押して点灯させます。
- ステップ・パッド13を押して点灯させます。
PLAYを押して再生します。
これでC5が4つ鳴るパターンになります。点灯しているステップをもう一度押すと削除できます。入れ間違えたら、その場でもう一度押せば大丈夫です。
| ステップ | 入力 | 役割 |
|---|---|---|
| 1 | C5 | 1拍目 |
| 5 | C5 | 2拍目 |
| 9 | C5 | 3拍目 |
| 13 | C5 | 4拍目 |
ノートの音程を変える
同じC5だけでは単調なので、ステップ9と13の音程を変えます。
- ステップ9を押し続けます。
- 押し続けたまま
D-MOTIONを押し、表示をノート・ナンバーにします。 - ステップ9を押したまま
TEMPO/VALUEを回して、n.G4付近に変えます。 - ステップ13も同じ手順で、
n.A4付近に変えます。
ステップを押しながらD-MOTIONを押すたびに、ノート・ナンバー、ベロシティー、ゲート、プロバビリティー、サブ・ステップの順に表示が切り替わります。値を変えるときは、ステップを押したままTEMPO/VALUEを回します。
ゲートで音の長さを変える
次に、音の長さを変えます。
- ステップ1を押し続けます。
D-MOTIONを何度か押して、ゲート表示G.80のような項目にします。- ステップを押したまま
TEMPO/VALUEを回し、値を短めにします。 - ステップ5、9、13も同じように調整します。
ゲートは1〜100で設定します。100にすると、次のステップに同じノートがある場合はタイとして演奏されます。短いベースやリフを作る場合は短め、つながるパッド風にする場合は長めにします。
音を少し整える
ノートが鳴るようになったら、音色を少し整えます。
| 操作子 | 試すこと |
|---|---|
FREQ | 右へ回して明るく、左へ回してこもらせる |
RESO | 少し上げてフィルターのクセを出す |
DECAY | 左へ回して短く、右へ回して長くする |
SUB | 少し上げて低音を足す |
DELAY | 少しだけ上げて反復感を足す |
REVERB | 少しだけ上げて奥行きを足す |
最初はFREQとDECAYだけで十分です。S-1はつまみが多いので、最初から全部を動かすと、何が効いているかわからなくなります。
モーションを1つだけ入れる
S-1らしい動きとして、フィルターのモーションを1つだけ入れます。
- ステップ1を押します。
- ステップ1を押したまま
FREQを少し回します。 - ステップ5、9、13でも違う位置へ
FREQを回します。 - 再生して、ステップごとに明るさが変わるか確認します。
登録可能なモーションのパラメーター数を超えるとFULLと表示されます。最初はFREQだけにして、どのように変化が記録されるかを確認します。
パターンを保存する
よい状態になったら保存します。
SHIFTを押しながらパッド16(WRITE)を押します。TEMPO/VALUEでPtnを選びます。- パッド
2(ENTER)を押します。 donEと表示されたら保存完了です。
Ptnは現在選んでいるパターンだけを保存します。ALLはすべてのパターンを保存します。練習中は、まずPtnで十分です。
ここまでの完成形
この章で通った操作は、S-1の基本そのものです。
| できるようになったこと | 使った操作 |
|---|---|
| パターンを選ぶ | PATTERN、パッド1〜4、パッド1〜16 |
| ステップ入力する | REC消灯、STEP点灯、ステップ・パッド |
| ノートを変える | ステップ + D-MOTION、TEMPO/VALUE |
| 音の長さを変える | ゲート表示、TEMPO/VALUE |
| 音色を整える | FREQ、RESO、DECAY、SUB |
| モーションを入れる | ステップを押しながらつまみ |
| 保存する | SHIFT + パッド16(WRITE)、パッド2(ENTER) |
次の章では、トップ・パネルとリア・パネルを見ながら、S-1の操作地図を作ります。