第9章 バックアップとリファレンス
J-6で作ったコード進行、音色、STYLE設定は、日常的にはパターン保存で守ります。さらに、ライブ前やまとまった制作の区切りでは、USBでパソコンへバックアップしておくと安心です。
この章では、保存、バックアップ、リストア、ファクトリー・リセット、参照資料の使い方をまとめます。
日常作業ではパターンを保存する
J-6で作業したら、まず本体内にパターンを保存します。
SHIFTを押しながら、右側の鍵盤C(WRITE)を押します。TEMPO/VALUEで保存対象を選びます。D(ENTER)を押します。
保存対象は次の2つです。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
Ptn | 現在選んでいるパターンを保存 |
ALL | すべてのパターンを保存 |
普段の制作ではPtnで十分です。複数パターンをまとめて編集したあとや、ライブ前に全体を確定したいときはALLを使います。
バックアップする
バックアップでは、J-6をUSBドライブのようにパソコンへ表示し、BACKUPフォルダーのファイルをコピーします。
- J-6とパソコンをUSBケーブルで接続します。
再生ボタンを押しながら電源を入れます。- ドライブの準備が終わるまで待ちます。
- パソコンで
J-6ドライブを開きます。 BACKUPフォルダー内のすべてのファイルをパソコンへコピーします。- コピーが完了したら、パソコン上でUSBドライブを取り出します。
- J-6の電源をオフにします。
ドライブの準備には1分程度かかります。準備の進み具合は鍵盤ボタンの点灯で確認できます。バックアップ先のフォルダー名は、日付と用途を入れておくと後から戻しやすくなります。
例:
| フォルダー名 | 意味 |
|---|---|
2026-05-12_j6_live-set | ライブ用セット |
2026-05-12_j6_before-reset | 初期化前 |
2026-05-12_j6_song-a | 曲Aの制作途中 |
リストアする
リストアでは、バックアップしたファイルをRESTOREフォルダーへコピーし、J-6側で実行します。
- バックアップ手順1〜4と同じ操作で、パソコンから
J-6ドライブを開きます。 J-6ドライブのRESTOREフォルダーへバックアップ・ファイルをコピーします。- コピーが完了したら、パソコン上でUSBドライブを取り出します。
CHORDを押します。- リストアが実行されます。
- LEDの点滅が完全に終わったら、J-6の電源をオフにします。
リストアは、現在の本体データをバックアップ内容で置き換える操作です。実行前に、いま本体に入っているデータが必要ないか確認します。
ファクトリー・リセットする
ファクトリー・リセットは、J-6を工場出荷時の状態に戻す操作です。必要なデータがある場合は、先にバックアップします。
HOLDを押しながら電源を入れます。CHORDが点滅します。- 中止する場合は、この時点で電源を切ります。
- 実行する場合は
CHORDを押します。 - ファクトリー・リセットが実行されます。
- すべてのボタンが点滅したら、J-6の電源を入れ直します。
参照資料の使い分け
J-6の公式マニュアルには、本文操作のほかに、一覧表として使うページがあります。制作中に迷ったら、次のように使い分けます。
| 資料 | 使いどころ |
|---|---|
| コード・セット一覧 | 鍵盤に割り当てられたコードを調べる |
| フレーズ一覧 | STYLE/VARIATIONのタイプを確認する |
| シグナル・フロー | 音がどの順で処理されるか確認する |
| MIDIインプリメンテーション・チャート | 外部機器から制御するときに確認する |
| 主な仕様 | パターン数、音色数、端子、電池持続時間を確認する |
普段の制作では、コード・セット一覧とフレーズ一覧をよく使います。MIDIチャートは、DAWや外部シーケンサーから細かく制御したいときに必要になります。
コード・セット一覧を使う
コード・セット一覧は、コード進行を作るときの辞書です。各行がコード・セット番号で、列が鍵盤ボタンに対応しています。
使い方は次の通りです。
- まずJ-6本体で
SHIFT+CHORDを押し、コード・セット番号を確認します。 - 公式のコード・セット一覧で同じ番号を探します。
C、D、F、Gなど、押したい鍵盤の列を見ます。- 実際に鳴るコード名を確認します。
コード名を見て理論的に選ぶというより、「このセットではFがどんな役割か」「Aを押すと暗くなるのか明るくなるのか」を確認する用途に向いています。
フレーズ一覧を使う
フレーズ一覧は、STYLEとVARIATIONを選ぶときの地図です。フレーズ名には、UP、DOWN、UP&DOWN、8th、16th、Triplet、Chord Phrases、Strummed Chord Phrasesなどが出てきます。
最初は次のように読めば十分です。
| 表記 | 意味の目安 |
|---|---|
| UP | 下から上へ上がるアルペジオ |
| DOWN | 上から下へ下がるアルペジオ |
| UP&DOWN | 上昇と下降を組み合わせる |
| 8th | 8分音符の動き |
| 16th | 16分音符の細かい動き |
| Triplet | 3連系の揺れ |
| Chord Phrases | コード伴奏らしいフレーズ |
| Strummed | かき鳴らし風のフレーズ |
BEAT系のoや_は、鳴る位置と休む位置を表します。oは16分音符、_は16分休符、o~は8分音符、o~~は付点8分音符です。
主な仕様として覚えておくこと
制作や接続でよく参照する仕様をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ユーザー・パターン数 | 64 |
| 音色数 | プリセット・パッチ64 |
| エフェクト | DELAY、REVERB |
| ディスプレイ | 7セグメント4桁LED |
| USB | USB Type-C、オーディオ/MIDI |
| MIDI端子 | MIDI IN/OUT、ステレオ・ミニ・タイプ |
| SYNC端子 | SYNC IN/OUT、ミニ・タイプ |
| 電池持続時間 | 約4.5時間 |
| 充電時間 | 約3時間 |
電池持続時間や充電時間は使用状況によって変わります。ライブや長時間作業では、USB給電または十分な充電を前提にします。
トラブル時の確認
最後に、よくある確認ポイントをまとめます。
| 困ったこと | 確認すること |
|---|---|
| 作ったパターンが消えた | SHIFT + 右側のC(WRITE)で保存していたか |
| バックアップできない | 再生を押しながら電源を入れたか、USBケーブルがデータ対応か |
| リストアできない | ファイルをRESTOREフォルダーへ入れたか |
| 初期化を止めたい | CHORD点滅中に電源を切る |
| MIDI制御できない | CH、SYnC、rxPc、Pc.Chを確認 |
J-6のガイドはここで一巡です。コード進行を作る、STYLEで動かす、音色を整える、保存してバックアップする、という流れが身につくと、T-8やS-1と組み合わせた制作にも自然につながります。