第4章 コード入力とコード・セット
J-6の中心はコード入力です。コード・セットを使うと、鍵盤ボタンにあらかじめ用意されたコードを呼び出せるので、複雑なコード名を覚えていなくても、雰囲気のそろった進行を作れます。
この章では、コード・セットを選び、ステップにコードを入れ、長いコードや展開違いを作るところまで扱います。
コード・モードをオンにする
コードを鳴らすには、まずCHORDをオンにします。
CHORDを押します。CHORDが点灯していることを確認します。- 鍵盤ボタンを押します。
CHORDが点灯していると、鍵盤ボタンを押したときに、選択中のコード・セットに登録されたコードが鳴ります。コードの響きだけを確認したい場合は、STYLE ONを消灯させます。STYLEがオンだと、押したコードがフレーズとして変換されるため、元のコード感がわかりにくいことがあります。
コード・セットを選ぶ
コード・セットは、鍵盤ボタンに割り当てられたコードの組み合わせです。ジャンルや響きごとに用意されており、同じ鍵盤Cを押しても、コード・セットを変えると違うコードが鳴ります。
SHIFTを押しながらCHORDを押します。- ディスプレイにコード・セット番号が表示されます。
TEMPO/VALUEで番号を選びます。CHORDを押して終了します。
最初は、コード・セット1のようなPop系から試すと、響きの違いがわかりやすいです。コード・セット一覧では、各番号ごとにC、C#、D、D#、E、F、F#、G、G#、A、A#、Bに割り当てられているコードを確認できます。
コード・セット1で押せるコードの例
コード・セット1はPop系のセットです。公式のコード・セット一覧では、次のようなコードが鍵盤に割り当てられています。
| 鍵盤 | コード例 |
|---|---|
C | Cadd9 |
C# | C#M9/C |
D | Dm7 |
D# | D#M7 |
E | Cadd9/E |
F | FM9 |
F# | Dadd9/F# |
G | Em7/G |
A | FM/A |
B | G/B |
この表を暗記する必要はありません。最初は、鍵盤を順番に押して「明るい」「暗い」「浮く」「戻りたくなる」といった印象で選びます。J-6は、コード名を読むよりも、同じコード・セット内で響きを探すほうが早い機材です。
ステップにコードを入力する
コードをシーケンサーへ入れるには、ステップを選んでから鍵盤ボタンを押します。
- ステップ1〜8のうち、入力したいステップを押します。
- 鍵盤ボタンを押します。
- ステップをもう一度押して、ステップ編集を終了します。
CHORDがオンのときは、鍵盤ボタンに対応したコードの構成音が入力されます。すでにステップにデータがある場合は、押したコードで上書きされます。
次の練習では、8ステップのうち1、3、5、7にコードを置きます。
| ステップ | 鍵盤 | 聴き方 |
|---|---|---|
| 1 | C | 開始点。ここへ戻ってくる感覚を確認 |
| 3 | A | 少し広がるか、暗くなるかを確認 |
| 5 | F | 進行が展開した感じを確認 |
| 7 | G | 次のループへ戻る力を確認 |
これは本サイトの練習例です。別の鍵盤に変えてもかまいません。大切なのは、ステップ位置を固定し、鍵盤だけを変えて、コードの差を聴くことです。
入力したコードを消す
入れ間違えたときは、ステップを選んでから、点灯している鍵盤ボタンを押します。
- 削除したいコードが入っているステップを押します。
- 点灯している鍵盤ボタンを押します。
- ステップをもう一度押して編集を終了します。
コードの場合は、構成音がすべて削除されます。鍵盤ボタンに表示されているオクターブ範囲外にノートやコードがある場合は、鍵盤ボタンが弱く点灯します。その場合は、SHIFT + C#(OCTAVE-)またはSHIFT + D#(OCTAVE+)でオクターブを切り替え、点灯に変わったら削除できます。
ノート情報とフレーズ情報をまとめて消したい場合は、SHIFT + G(CLEAR)を使います。選択中ステップだけを消すのか、パターン全体を初期化するのかは操作状態によって変わるので、実行前に何を選んでいるか確認します。
コードを長く伸ばす
コードを次のステップまで伸ばしたいときは、HOLDでタイを入力します。
- ノートまたはコードが入っているステップを選びます。
HOLDを押します。- 次のステップにタイが入力されます。
- さらに伸ばしたい場合は、もう一度
HOLDを押します。
タイを消すには、タイが入っているステップを選び、HOLDを押して消灯させます。タイを入力するステップは、ノートが入っていない状態である必要があります。
コードを伸ばす練習として、次のようにしてみます。
| ステップ | 入力 |
|---|---|
| 1 | 鍵盤C |
| 2 | タイ |
| 3 | 鍵盤A |
| 4 | タイ |
| 5 | 鍵盤F |
| 6 | タイ |
| 7 | 鍵盤G |
| 8 | タイ |
この形にすると、8ステップの中で4つのコードがそれぞれ少し長く鳴ります。短いリフ風にしたいときはタイを減らし、パッド風にしたいときはタイやENVELOPEのリリースを長めにします。
ページを切り替えて長い進行にする
J-6は、8ステップ×8ページで最大64ステップのシーケンスを記録できます。ページを切り替えるには、SHIFTを押しながらステップ1〜8を押します。
SHIFTを押します。- ステップ1〜8を押してページを選びます。
- 選んだページのステップにコードを入力します。
SHIFTを押している間、表示中のページが点灯し、再生中のページが点滅します。長い進行を作るときは、ページ1をメイン、ページ2を少し違う展開にするように考えると扱いやすくなります。
SHIFT + F(LAST)で長さを確認します。ラスト・ステップを設定する
再生範囲を変えるには、ラスト・ステップを設定します。
SHIFTを押しながらF(LAST)を押します。TEMPO/VALUEで値を設定します。C(EXIT)で終了します。
最初は8ステップ、慣れたら16ステップ、曲らしい展開を作るときは32または64ステップに広げるとよいです。コード進行を作る場合、長ければよいわけではありません。8ステップで気持ちよく回る進行を作ってから、最後の2ステップだけ変えたコピーを作るほうが実践的です。
展開用の差し替え練習
第2章で作った進行を少し変えて、展開を作ります。
| 位置 | メイン | 展開案 |
|---|---|---|
| ステップ1 | C | Cのまま |
| ステップ3 | A | Aのまま |
| ステップ5 | F | Dに変更 |
| ステップ7 | G | Gのまま |
操作は簡単です。
- ステップ5を押します。
- 鍵盤
Dを押します。 - ステップ5をもう一度押して編集を終了します。
- 再生して、ステップ5の印象だけが変わったか確認します。
コード進行を学ぶときは、一度に全部変えないのがコツです。1箇所だけ変えると、「そのコードが何をしているか」を耳で覚えやすくなります。
保存する
コード進行が決まったら保存します。
SHIFT+ 右側の鍵盤C(WRITE)を押します。TEMPO/VALUEでPtnを選びます。D(ENTER)を押します。
次の章では、作ったコードをSTYLEフレーズやアルペジオで動かす方法を扱います。