第2章 最初のコード・パターンを作る
この章では、J-6で最初のコード・パターンを作ります。狙いは、きれいな曲を完成させることではありません。パターンを選び、音色を選び、コードをステップに入れ、STYLEフレーズで動かし、保存するところまでを手で覚えることです。
ここでは8ステップだけを使います。J-6は最大64ステップまで扱えますが、最初は1ページ分の8ステップで十分です。短いループで操作を覚えてから、ページを増やすほうが混乱しにくくなります。
準備する
最初に、MIX OUTへヘッドホンまたはスピーカーを接続します。音量はVOLUMEを絞った状態から少しずつ上げます。外部機器やDAWにつなぐ前に、まずJ-6単体で音が出ることを確認します。
J-6をUSB給電している場合は、CHARGEインジケーターも確認します。赤く点灯している場合はバッテリー残量が少ない状態です。制作中に電源が落ちると保存していない変更が失われるので、最初はUSB給電しながら作業すると安心です。
空きパターンを選ぶ
PATTERNを押すと、ステップ1〜8がパターン番号になります。ステップ・ボタンを押すと、その番号のパターンへ切り替わります。
PATTERNを押します。- ステップ1〜8のうち、使いたいパターンを押します。
- バンクを変える場合は、
PATTERNを押しながらステップ1〜8を押します。
最初は、工場出荷時データが入っている1-1〜2-8を避け、空いているバンクを選ぶと上書きの不安が少なくなります。どこが空いているか判断しにくい場合は、いったん試作用のバンクを決めて、そこだけを練習用に使います。
テンポを決める
ディスプレイには通常テンポが表示されています。TEMPO/VALUEを回すとテンポが変わります。小数点以下を変えたい場合は、SHIFTを押しながらTEMPO/VALUEを回します。
最初は100〜120前後が扱いやすいです。速すぎるとコードの切り替わりを追いにくく、遅すぎるとフレーズのリズム感がつかみにくくなります。
音色を選ぶ
コード入力の前に、聴き取りやすい音色を選びます。
SOUNDを押します。- ステップ1〜8を押して音色を切り替えます。
- 必要に応じて
TEMPO/VALUEを回して音色を切り替えます。 - もう一度
SOUNDを押して元の画面に戻ります。
音色バンクを変える場合は、SOUNDを押しながらステップ1〜8を押します。SOUNDを押している間は選択中のバンクが点灯し、指を離すと音色選択モードになります。
最初の練習では、余韻が長すぎない音色を選ぶとコードの入力結果を確認しやすくなります。パッド系の広い音は気持ちよい反面、ステップの位置を聴き取りにくいことがあります。
コード・モードに入る
次に、鍵盤ボタンでコードを鳴らせるようにします。
CHORDを押します。- 鍵盤ボタンを押し、単音ではなくコードが鳴ることを確認します。
- コードの響きだけを確認したい場合は、STYLE
ONを消灯させます。
コード・セットを変える場合は、次の手順です。
SHIFTを押しながらCHORDを押します。- ディスプレイにコード・セット番号が表示されます。
TEMPO/VALUEで番号を選びます。CHORDを押して終了します。
この章では、まずコード・セット1を使う想定で進めます。別の番号でもかまいませんが、章の手順と同じ響きに近づけたい場合は、最初はいったんコード・セット1にしておくと確認しやすいです。
8ステップに4つのコードを入れる
ここでは、ステップ1、3、5、7にコードを置きます。J-6の1ページは8ステップなので、奇数ステップにコードを置くと、コードが短い間隔で切り替わる練習になります。
| ステップ | 押す鍵盤 | ねらい |
|---|---|---|
| 1 | C | 進行の始まり |
| 3 | A | 少し違う響きへ動かす |
| 5 | F | 展開を作る |
| 7 | G | ループの終わりを作る |
入力手順は、すべて同じです。
- ステップ1を押します。
- 鍵盤
Cを押します。 - ステップ1をもう一度押して、ステップ編集を終了します。
- ステップ3を押します。
- 鍵盤
Aを押します。 - ステップ3をもう一度押します。
- 同じ要領で、ステップ5に
F、ステップ7にGを入れます。
ステップを押すとSHIFTが点滅し、鍵盤側に入力済みのノートが表示されます。CHORDがオンのときは、鍵盤ボタンを押すとコードの構成音がステップに入力されます。すでにデータがある場合は上書きされます。
再生して確認する
再生ボタンを押して、8ステップのコード進行を確認します。止めるときはもう一度再生を押します。
もし音が鳴らない場合は、次を確認します。
| 症状 | 確認すること |
|---|---|
| 何も鳴らない | VOLUME、MIX OUT、音色、外部スピーカーの音量 |
| 単音しか鳴らない | CHORDが点灯しているか |
| フレーズが忙しい | STYLE ONを消灯してコードだけ確認 |
| 入力した場所と違う | 編集したステップをもう一度押して終了しているか |
入力したコードを消したい場合は、編集したいステップを押し、点灯している鍵盤ボタンの中から削除したいノートまたはコードの鍵盤ボタンを押します。コードの場合は構成音がまとめて削除されます。
STYLEフレーズを足す
コードがループしたら、STYLEで動きを足します。
- STYLE
ONを押して点灯させます。 STYLEつまみを回します。VARIATIONつまみを回します。- コードの切り替わりとフレーズの動きが合う場所を探します。
最初は、STYLEを大きく動かすより、1つのSTYLEの中でVARIATIONだけを変えると違いを把握しやすいです。アルペジオ系は音が上下に動き、BEAT系は刻みの位置が変わり、PHRASE系はより伴奏らしい動きになります。
STYLE ONが点灯している状態で選ばれたフレーズは、ステップ編集で各ステップにも記憶できます。最初の章では深追いしませんが、「ステップごとに違うフレーズを持たせられる」と覚えておくと、あとで展開を作るときに役立ちます。
音色を少し整える
コードとSTYLEが決まったら、音色を少し整えます。
| 操作 | 試すこと |
|---|---|
FILTER | 少し左へ回して、明るさを抑える |
ENVELOPE | 右へ回して余韻を伸ばす、左へ回して短くする |
DELAY | 少しだけ上げてリズム感を足す |
REVERB | 少しだけ上げて奥行きを足す |
SHIFTを押しながらFILTERを回すとレゾナンス、SHIFTを押しながらENVELOPEを回すとアタック、SHIFTを押しながらDELAYやREVERBを回すとタイムを調整できます。
この段階では、エフェクトは薄めにします。ディレイやリバーブを大きくかけると気持ちよく聞こえますが、コードがどのステップで変わっているかを把握しにくくなります。
パターンを保存する
気に入ったらすぐ保存します。
SHIFTを押しながら、右側の鍵盤C(WRITE)を押します。TEMPO/VALUEでPtnを選びます。D(ENTER)を押します。
Ptnは現在選んでいるパターンだけを保存します。ALLはすべてのパターンを保存します。練習中は、まずPtnで現在の作業だけを保存すれば十分です。
ここまでの完成形
この章で作ったパターンは、次の操作を一通り通っています。
| できるようになったこと | 使った操作 |
|---|---|
| パターンを選ぶ | PATTERN、ステップ1〜8 |
| テンポを変える | TEMPO/VALUE、SHIFT + TEMPO/VALUE |
| 音色を選ぶ | SOUND、ステップ1〜8 |
| コードを鳴らす | CHORD、鍵盤ボタン |
| コードをステップに入れる | ステップ1〜8、鍵盤ボタン |
| フレーズ化する | STYLE ON、STYLE、VARIATION |
| 保存する | SHIFT + 右側の鍵盤C(WRITE)、D(ENTER) |
次の章では、パネル上のボタンと端子を整理し、J-6の操作を読むための地図を作ります。